父子合集経講話（一三四）

三解脱門とは何か

一切の諸法は皆空寂である。これを空解脱門という。空にも空という相は存在せず、空の法そのものに相はなく、ただの名称概念に過ぎず、相を持たない。空には空の相貌もなく、一切の相が存在しない。これを無相解脱門という。もし一切の相が消滅するならば、我々に何を求め、何を願い、何を願求する必要があろうか。一切の法は空であるならば、さらに何を望むことがあろう。願求するものがなくなれば、これを無願解脱門という。この三つの法が空と共に作用すれば、心は解脱する。これを三解脱門という。空・無相・無願、この願とは求める心、果を願う心、誓願を発する心を指す。一切が存在しないが故に、何を執着しても空であり、仏に成ることさえも空である。『金剛経』に説かれる如く、成仏の果位は得るべきものではない。もし成仏の果位さえ得られないならば、さらに何を得ようとするのか。我々が何かを得たと感じても、仔細に分析検証すれば、何も得ていないことが分かる。得る人すら存在せず、まして得る法などあるはずがない。