大念処経に従って修行を進めると、定力が絶えず増強され、修行すればするほど利益を感じるようになります。行住坐臥において呼吸を観じ、色身を観察し続けることで、心は次第に静まり、微細になっていきます。ついには色身の頭から足まで、内から外に至る全ての変化現象を観察できるようになり、心は非常に鋭敏で智慧に満ちるようになります。これらは全て禅定によるものです。禅定を修めなければ、心は粗雑になり、色身の内外の状況を観察できず、特に自心の貪・瞋・癡の煩悩や種々の無明に気付けず、一つには発見できず、二つには制御できないのです。故に必ず禅定を修め、四念処を実践し、観行の智慧を増長させ、煩悩を降伏させ、悪業を作らず、あるいは少なくする必要があります。
四念処の修行過程において、心が次第に静寂を得ると、ある程度まで静まった時、因縁時節が具足し、一つの法縁に触れるやいなや、即座に反観参究し、直ちに灵感を得て法を証得します。禅定がよく修まると、心は非常に敏捷になり、集中力が強まり、常に当下に縁起し、自らの身心の内外を了知します。外界にどんな境界が現れても、心では明らかに知りつつも、無視し動じず、内心に煩悩が生じても、心では明らかに知りつつも、煩悩に従って業行を造作しません。これが禅定の功徳であり、心が清浄で煩悩を降伏させる力です。煩悩が軽減されると、世間への執着が減少し、世俗の事業に時間と精力を費やすことを好まなくなり、多くの事柄が重要でないと感じるようになります。一心に道に向かい、願力が広大になれば、修行は正軌に乗り、見道は時間の問題となります。
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