(十六)原文:問。如何にして諸行が識に対して三種の縁となることを知るべきか。答。能く彼の種子を熏発するが故に、倶有縁となる。次に後に彼の勢力の転ずるが故に、無間滅生起縁となる。彼の当来の果の生ずるを得るが故に、久遠滅引發縁となる。行が識に対するが如く、識が名色に、名色が六処に、六処が触に、触が受に対してもまた同様である。
釈:問:どのようにして意根の一切の行が六識を生じる三種の縁であることを知ることができるか。答:第一に、意根の行が六識の種子を熏発するが故に、行は識の倶有縁であると言い、六識の生起は意根の行を離れることができない。第二に、意根の行の勢力が運転するが故に、六識が無間断に滅して生起する縁となる。第三に、六識の未来世の果報が生じるが故に、意根の行は六識が久遠の後に滅する引發縁となる。行が識を縁するはかくの如く、識が名色を、名色が六入を、六入が触を、触が受を縁するもまた同様である。
原文:問。如何にして受が愛に対して三種の縁となることを知るべきか。答。彼によって楽着を起こすが故に、倶有縁となることを知るべきなり。此れより無間に、彼の勢力によって追求等を起こし、作用が転ずるが故に、無間滅生起縁となる。当来を建立し、解脱し難き彼の相続するが故に、久遠滅引發縁となる。
釈:問:どのようにして受が愛を縁ずる三種の縁があることを知ることができるか。答:受の時に心に楽着を起こすが故に、受は愛生起の倶有縁となり、此れより無間断に貪愛が続くことを知るべきである。貪愛の勢力によって追求等の心行を起こす。受の勢力によって追求等の心行が生じ、受の作用が運転するが故に、愛の無間滅生起縁となる。後世の受が絶えず生起し、解脱し難いのは、受が相続不断であるが故に、愛の未来久遠滅の引發縁となる。
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