第一月と第二月の月影はそれぞれ何を指すのでしょうか

（一）『楞厳経』第二巻原文：仏は阿難に告げた。そもそも汝が我を見るこの見精の明元。この見は妙なる精明清浄の心にあらずといえども、第二の月の如し。月影にあらず。 

釈：仏は阿難に説かれた。汝が私を見るその見精は色法を明らかにする本元である。この見精は微妙精妙な本来の心ではないが、第二の月のようなもので、月の影ではない。 

仏がここで説く第二の月とは見精の明元を指し、六識・七識の見を含むが、最も微妙な見精の明心ではない。つまり見精の明元の見性は七識の見性であり、如来蔵の心体ではない。見精が明らかにするのは六識の見性であるが、第七識の見性は隠されて明示されず、実際には第七識の見性を含んでいる。七識の見精は体でも形でもなく、如来蔵本体ではなく自性も形色も持たず、また如来蔵が幻化した影でもない。影とは七識の見る像を指し、地水火風空によって構成される。 

『楞厳経』第三巻原文：また阿難よ、いかにして六入が本来如来蔵の妙真如性であるか。阿難よ、まさにその目玉が凝視して疲労を生ずる者、目と疲労を合わせてともに菩提の凝視発労相なり。明暗二種の妄塵を因として、見が中に発し、この塵象を吸収する、これを見性と名づく。この見は明暗二塵を離れて、畢竟体性なし。 

釈：六入の虚妄において説かれる菩提の凝視発労相は、根と労触の処において六識の見性を生じる。この見性は塵を離れて体なく、自性も自主性も持たない。六識が六根の処に現れる見性は第二の月であり、如来蔵菩提の凝視発労相であって他処から来るものではなく、直接如来蔵菩提の中より生じ、如来蔵七大種子中の識種子の処より来る。 

如来蔵が凝視して労相を発するのは、手で目を押さえると目が疲労して物に二重の影を見るが如く、一は真、一は仮なり。仮なるものは第二の月として真より生じ、真なければ仮なく、仮を説けば真となり、真を説けば仮となる。仮なるものを仮と説くは正しからず、真と説くも正しからず、真でもなく仮でもなく、また真でもあり仮でもある。目を押さえて成る像は影にあらず。如来蔵のこれらの労相は意根によって促され、もし意根が静まれば如来蔵は労せず、すべての労相――見性は消失して見えなくなる。