いつになったら無相分別を成し得るのでしょうか

初果に至って我見を断じて初めて我相・人相・衆生相・寿者相を破ることができるが、依然として衆生の五陰相に対する執着と分別を離れることはできない。悟りを開いた後も相を取らぬことは極めて難しく、特に禅定が退失した後は、ほとんどの場合依然として相を取って分別せざるを得ない。八地以前の菩薩は全く相を取らずに分別することを根本的に成し遂げることはできない。凡夫は小さな試練にも耐えられず、いかに相に執着せず相を取らぬよう訓練しようとも、凡夫は相の上で転ずるほかない。凡夫は口では常に相を取らず分別せぬと言いながら、一分一秒ごとに相を取って分別しており、全く相を取らず分別せぬことなど到底できない。

禅定と智慧の証量が甚だしく不足しているため、相を取らず分別せんと欲することは根本的に不可能である。意識で強引に抑えれば一分間は可能かも知れぬが、二分間は持ちこたえられず、相を取らず分別せぬことは極めて困難である。考えるのは容易く、口で言うのも容易いが、実践するには全ての相が実体なきものであることを証得せねばならない。証得した分だけ実践できるのであり、思うだけでは無駄で、口先ではなおさら無駄である。凡夫が更に無量劫を修行したとしても、どれほどの程度まで相を取らず分別できるかは定かでない。阿羅漢でさえも完全に相を取らず分別することはできず、これは阿羅漢が大乗法を証得していないため、やむを得ず相を取って分別するのである。もし阿羅漢が相を取らず分別することができるならば、娑婆世界の苦しみに執着することなく、一心に娑婆世界の境界を避けて無余涅槃を取ることはないであろう。