阿含口解十二因縁経

（一）原文：生死の道を断ち切り、世を超える道を成就せんとする者は、十二因縁を念ずべし。何を十二とするや。一には無明を本とし、二には無明より行を生じ、三には行より識を生じ、四には識より名色を生じ、五には名色より六処を生じ、六には六処より触を生じ、七には触より受を生じ、八には受より愛を生じ、九には愛より取を生じ、十には取より有を生じ、十一には有より生を生じ、十二には生より老死憂悲苦悩を生ず。これ十二因縁の法なり。

釈：生死の輪廻を断除し六道を超越せんとする者は、十二因縁を観ずべし。その十二とは、一に根本は無明、二に無明より行を生じ、三に行より識を生じ、四に識より名色を生じ、五に名色より六入を生じ、六に六入より触を生じ、七に触より受を生じ、八に受より愛を生じ、九に愛より求を生じ、十に求より有を生じ、十一に有より生を生じ、十二に生より老病死を生ず。これ十二因縁の法なり。

原文：この十二の法が生起せんとする時は、四つの無常観をもって滅すべし。四つの無常観とは何か。一に苦を識り、二に習を捨て、三に尽きることを知り、四に道を行ず。さらに生・老・病・死を念じ、この四つを観ずれば十二因縁の道は成就す。この四つを観ずる修道者は世を超えんと欲すれば、十二因縁の法を断ずべし。これ生死の根を断ずるなり。

十二因縁には内外あり。一に内は無明、外は地大。二に内は行、外は水大。三に内は識、外は火大。四に内は名色、外は風大。五に内は六入、外は空。六に内は災、外は種。七に内は受、外は根。八に内は愛、外は茎。九に内は受、外は葉。十に内は有、外は節。十一に内は生、外は華。十二に内は老死、外は果なり。

釈：この十二因縁が生起せんとする時は、四つの無常法をもって滅すべし。四つとは、一に苦を認識し、二に習気を捨て、三に苦の滅尽を知り、四に八正道を行ず。さらに生老病死を常に観ずれば十二因縁は成就す。生老病死を観ずる修道者は世を超えんと欲すれば、十二因縁の生死を断ずべし。これ生死の根源を断ずるなり。

十二因縁には内外の相あり。一に内は無明、外は地。二に内は行、外は水。三に内は識、外は火。四に内は名色、外は風。五に内は六入、外は空。六に内は災厄、外は業種。七に内は受、外は根。八に内は愛、外は茎。九に内は受、外は葉。十に内は有、外は節。十一に内は生、外は華。十二に内は老死、外は果実なり。