如来蔵は虚空のように来ることなく去ることもありません
原文:仏は王に言われた。「仮にその人が再び土で池や井戸を埋めたとして、どう思うか。虚空はどこへ行ったのか」王は答えた。「虚空はどこへも行きません。なぜなら、この虚空界には来去がないからです。男相にも住まず、また女相でもありません」
「大王よ。外の虚空界は本来動くことがなく、自性が一切の相を離れている。ただ言葉によって示されるだけのもので、仏の正しい智慧なくしてはこれを理解することはできません」
釈:仏は言われた。大王、仮にその人が再び土で池や井戸を埋めたなら、どう思うか。虚空の相はどこへ行ったのか。浄飯王は答えた。虚空の相はどこへも行きません。なぜそうなのか。虚空界には本来来去がないからです。虚空界には男相もなく、女相もありません。
仏は言われた:「大王よ。外の虚空界は本来変動したことがなく、その自体の性質は一切の相を離れています。ただ言葉によって虚空が示されるだけで、虚空には何ら実体がありません。ただ仏の無上の大智慧のみが完全にその真意を理解し得るのです」
虚空界には来ることもなく、去ることもありません。如来蔵も同じく虚空のように来ず去らず、形も相もありません。あなたが家からここへ来た時、あなたの如来蔵は来たのでしょうか。如来蔵には足も羽根もなく、来ることができません。帰る時、如来蔵は帰ったのでしょうか。如来蔵も去らず、同じく形のない故です。昔の禅師が弟子に問いました。「どこから来たのか」弟子が「上海から来ました」と答えると、師はさらに「船で来たのか、歩いて来たのか」と尋ねました。弟子が「船で来ました」と答えると、師は言いました。「お前が船に乗る前から、すでに一棒を与えるべきであった」と。打つべきであったのだ。お前は船に乗れるのか。かつて船に乗ったことがあるのか。何をもって船に乗るのか。禅師の問いは常に如来蔵を離れず、如来蔵は虚空のように来ず去らず、相がない故です。
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