父子合集経講話（二九）

諸法は虚妄にして実体なし

諸法はすべて無から形成され、滅した後には何も残りません。塵一つ残らず、最も微小なクォーク粒子さえも存在しなくなります。世界はかくも虚妄なのです。この広大な世界さえも滅び去るならば、執着しようとしても執着できません。ましてや私たちの小さな身体はさらに容易に滅びゆくものであり、一切の法はあまりにも虚妄で実体がないのです。私たちの生命が形成される全過程を観察すれば、無から受精卵となり、出生し、幼子から成人へと成長し、百斤余りの躯を形成するに至ります。しかし生命が終わる時には、この百斤余りの肉体は再び分散してしまうのです。いったい何が残るでしょうか。何も残りません。ただ少量の灰が残るだけです。時が経てばその灰さえも消え去り、誰が私たちの前世の灰を見出すことができましょうか。見出すことはできません。ゆえに五蘊から成る生命体の全体、宇宙虚空の全てが空しく広大であり、執着すべきものではないのです。