意識が一つの問題を要約し凝縮して意根に引き渡す方法は、次のように実践します。意識は問題の全容を一つの念に変換し、意根すなわち心の奥底に懸けるのです。自身が何をしようとも、心の内にこの疑問の念を携えるようにし、深く保持して離れないこと。もし心にその念がなくなった場合、疑問が消え思索が途絶えた際には、意識は再びその問題を意根に投げ入れ、再び目覚めを促します。同時に意識自体も過剰で複雑な思考活動を行わず、意根の注意力が散漫にならぬよう配慮します。禅宗の参禅や話頭を参ずる修行法はまさにこのように実践され、方法論は同一です。深く細やかな思惟の極致とはこのようなものです。世俗法においても多くの人々が無意識に用いている方法ですが、ただそれを体系立ててまとめ上げ、仏法の実践に活用する術を知らないだけなのです。
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