万法は虚妄にして実体なし
一切の法は無所有より形成され、滅した後には再び無所有に帰す。塵一つ、最も微細なクォーク粒子さえ残らない。世界はかくも虚妄なるものなり。この広大な世界さえも滅び去る時、執着すべき対象も失われる。ましてや我々の小さき身体はさらに容易に滅びゆく。一切の法はあまりにも虚妄不実である。我々の生命が形成される全過程を観るに、無所有より一個の受精卵となり、出生し、幼子より成人へ成長し、百斤余りの躯殻を成す。然るに生命終焉の時、この百斤余りは再び分散する。何が残るか?何も残らぬ。ただ一握りの遺灰のみ。時を経れば遺灰さえ消え、前世の遺灰を尋ね得る者があろうか?得られぬ。故に五蘊の生命体全体、宇宙虚空の全てが空漠として、執着すべからざるものなり。
2
+1