(五)原文:かくのごとく沙門・婆羅門は、世間における愛すべき色を観察し、病のごとく、癰のごとく、刺のごとく、殺のごとく、無常・苦・空・非我なることを観ず。乃至生老病死憂悲悩苦より解脱するに至る。このゆえに阿難よ、この法においてかくのごとく見、かくのごとく聞き、かくのごとく覚り、かくのごとく知れ。過去未来においていまこの道のごとく、かくのごとく観察せよ。かくのごとく阿難よ、この法においてかくのごとく見、かくのごとく聞き、かくのごとく覚り、かくのごとく知れ。過去未来においていまこの道のごとく、かくのごとく観察せよ。仏はこの経を説き終わられしとき、諸比丘は仏の説かれたことを聞き、歓喜して奉行せり。
釈:このように、沙門・婆羅門は世間に愛着を生じさせる色法に対し、病のごとく、癰のごとく、刺のごとく観察し、その無常・苦・空・無我なる性質を観ずる。かくして貪愛を離れ、生老病死憂悲悩苦より解脱する。よって阿難よ、この内触法に対しかくのごとく見、かくのごとく聞き、かくのごとく覚り、かくのごとく知るべきである。過去・未来の内触もまたかくのごとく扱い、かくのごとく観察せよ。観じつづけるうちに、一切法が無常・苦・空・無我であることを証得し、もはや貪愛と執着を起こさず、生老病死憂悲悩苦が滅し、心が解脱して清涼寂静となるのである。
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