外道たちが四禅八定を修行し、色界天の無想定に至ると、意識心が消失し、意識心のない色身の境界がある状態を真実と見做し、色身への執着を断てないため我見を断じて証果を得ることができません。実際に無想定においては意識心がなくとも意根と色身が存在し、空無一物ではないため、四果の涅槃境界を証得したとは言えません。
また外道が無色界天の非想非非想定に至ると、一見意識心が消滅したように感じますが、実際には極めて微細な意識心が存続しています。しかし彼ら自身はこれを感知できず、これを涅槃境界の証得と錯覚します。五陰十八界を悉く否定せず、三界中最も高い禅定に達したとしても、阿羅漢果を証得することはできません。故に阿羅漢果の証得には禅定が条件の一つであるだけでなく、我見を断つ法眼浄の智慧が必要であり、単に禅定のみによって涅槃を証得するものではありません。初禅以上の禅定を得た後、色身と識心の虚妄性を確実に観じれば、阿羅漢果を証得できます。かかる確信を得るには観行の智慧を具足し、定慧を円満に備えて初めて証果が可能となるのです。
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