望遠鏡を使えば、はるか彼方の星空や広大な海洋、天辺の山々や大地を望むことができますが、身体は千山万水を隔てています。どれほど遠く高くを見渡しても、その場に身を置いているわけではありません。既定の目標は、指先で到達できるものでも、空言で語り得るものでもなく、足で測る必要があるため、必ず歩みを始めねばなりません。一歩一歩進むこと、走らず跳ばず、まして飛躍せず、そうしてこそ確実に目的地に到達できます。道が遠いからと意識の妄想で済ませようとせず、苦しいからと意識の妄想で誤魔化さず、費用がかかるからと意識の妄想で代用してはなりません。空想にふけっても結局は幻境です。王土を求めんとするなら、必ず意根で足元を大地に据え、一歩ずつ歩測し、寸土たりとも自ら触れなければなりません。
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