参禅と論理的推論の違い

参禅はかつて禅宗の祖師たちが提唱した明心証悟の修行法であり、この方法によって本心自性の第八識を証得できる。参禅には甚深な禅定が求められ、昼夜を分かたず不断に工夫を重ね、二六時中参究求道に心を注ぎ、細やかな心遣いで因縁が熟する時、縁に触れ境に遇えば自ずから悟りを開くか、あるいは禅師の機鋒の下で悟道する。初期の工夫が未熟な段階では、参禅を「尋」と呼び、意識が比較的力を入れ、思考が多く明瞭に働く。禅定が深まり工夫が熟達するに従い「伺」の段階に入ると、意識は力を用いられなくなり、意根の思量作用が顕現する。これにより昼夜覚醒時も睡眠時も工夫が持続し、一片に打ち込まれ、疑情が極限に達すれば、心が極めて鋭敏となり、相応の境界に遇うことで証悟を得て三昧を成就する。禅定が浅いと工夫は深まらず、証悟の三昧定慧境界を発起できない。

論理推論は完全に意識心に属し、工夫が浅く、禅定があってもなくてもよく、中学生でも論理的思考で学習の疑問を解決できる。あらゆる学術研究者に至るまで広く論理推論を用いるが、禅定者でもその禅定は浅い。論理的思考は正式な参禅以前の入門段階に相当し、入門後はもはや用いるべからず、論理推論は禅宗参禅の大忌であり、全ての祖師が強く反対し「意下の卜度」「情思意解」「鬼家活計」と断じた。禅師たちは弟子たちが意下で推量したり便宜的な方法を取ることを厳禁し、心意識を離れて参究するよう求め、意識的思考と言語文字音声を一切用いない参禅を命じた。

意識に言語文字が存在する時、禅定は極めて浅いか全くない状態である。禅定が深まると意識は粗浅な思考活動を行えず、微細な思考さえ断たれるが、意根の思量活動は妨げられない。諸仏ですら四禅の中で証道でき、凡夫の意識は二禅で思考を失い、三禅・四禅では意識の思考が滅するが、意識自体は不滅で極めて微細な知性を保つ。故に深い禅定は意識の思考を抑制しつつ意根の思量を活性化する。意識と意根が共存する状況下では、その思慮活動は相互に増減し、意識思考が過剰に活発化すれば意根の思量を阻害し、意根は力を発揮できない。

論理思考と推論は全て言語文字を伴い、言語文字を離れれば全て意識の思考活動となり、意根は力を発揮できず、従って意根は最終的な正しい結果を証得しない。意根は言語文字を持たないため、真の参禅と参究は意根を主体とし、禅宗祖師の言う「心意識を離れて参究する」とは意識による粗浅な思考を禁じる所以である。