衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

生如法师のウェブサイトロゴ

日常開示

2020年09月03日    木曜日     第1 回の開示 合計2587回の開示

催眠の原理(一)

それでは催眠の原理について、昨日の三つの催眠事例を通して説明します。最初の事例では、催眠師が被催眠者に「眠れ」と指示を出すと、数人の被催眠者はすぐに互いにもたれかかり眠りに落ちました。その後、催眠師が「目覚めよ」と指示すると、彼らは深い眠りから覚醒しました。目覚めた後、彼らは自分が眠っている間に互いにもたれかかっていた状況を全く認識していませんでした。

なぜこのような現象が起こるのでしょうか。通常我々が覚醒している時、意識(第六識)と末那識(第七識)は互いに信頼し合い、依存し合い、指導し合っています。普段末那識は意識の指導や制御に従い、意識の命令を受け入れ、その影響を受けます。しかしこの時、末那識は自身の意識の影響を受けず、代わりに催眠師の影響を受けています。催眠師の役割は被催眠者の意識の役割を代行し、末那識は催眠師の全ての指示を完全に信従します。言葉通りに信じ、100%服従し、自身の意識に対する信頼を超え、催眠師の指示が自己の意識の指令を上回る状態となります。

従って催眠師が何を言っても、被催眠者の末那識はそれを信じ、一旦信じれば直ちに実現可能となります。なぜ信じれば即実現するのか?末那識は主体となる識(作主識)であり、力強さを備えているためです。末那識が何かを成そうと決意すれば、それを阻害する要因がなければ実現可能です。催眠師が眠るよう指示すると、意識が末那識を制御・指導しないため、末那識は指示に従い即座に睡眠を決定し、全ての縁(条件)を捨て去ります。意識の関与がないため、瞬時に眠りに落ちるのです。この睡眠状態には五識も意識も存在しないため、眠っている間に互いにもたれかかっても、自身の意識は認識できず、当然覚醒後もその状況を知ることはありません。睡眠中は意識が滅しているため、自身の睡眠状態を認識できないのです。

なぜ催眠中は瞬時に眠れるのに、普段の睡眠はこれほど速やかではないのでしょうか。通常睡眠準備時には、まず五識の了別(認識作用)を滅し、次に意識の了別と心念を滅する必要がありますが、意識の滅却はやや困難です。一方催眠中は、意識が直接作用しなくなるため、瞬時に眠りに就けるのです。

この原理から分かるように、末那識が何かを信じる時、それは普通の信ではなく、非常に深く疑いのない絶対的信です。言われたことをそのまま受け入れ、自らの思量を用いず、是非善悪を考慮せず、意識による制御も受けません。末那識自身の六塵(色・声・香・味・触・法)を弁別する能力は比較的弱く、弁別を加えないのです。催眠師を信じれば、催眠師の言うことがそのまま真実となり、命じられたことをそのまま実行します。ここに末那識の智慧の劣性が現れます。もし意識があれば、思考し是非を弁別し、適切な措置を講じ、末那識を制御できます。しかし末那識に六識の補助がなく、意識の支援がない場合、自身に十分な弁別能力がないため、催眠師に眠るよう指示されれば、末那識は何も考えず瞬時に眠りに就けるのです。

もし我々が修行して深い禅定に入れば、末那識は六塵境界を観察し自身の色身(物質的身体)を認識し、全ての境界が以前とは異なると悟ります。深い禅定中、末那識の心作用が集中し智慧が開発されるため、色身が自ら制御可能であることを知るのです。境界の虚妄性(実在しない性質)を理解し、もはや境界を重大視しなくなります。深禅定には意識の制御がなく、末那識が望むことは全て成就し、神通力を発動すれば即座に妙用が現れます。

例えば第四禅定において末那識が「虚空に飛翔せん」と念じる時、六識の干渉がなく、意識が妨げず、虚空への概念も色身の障害もないため、直ちに虚空を飛翔し山岳を超越できます。末那識が「遠方や天上の音声を聴かん」と念じれば、意識の干渉がないため、極めて遠方の音声を聴取可能です。意識はどのように干渉するのでしょうか。意識は常に「これは不可能」「あれは無理だ」と告げ、この否定を受けると末那識も本当に不可能だと感じ、事を成し得なくなるのです。

意識の干渉がなければ、末那識が何かを望めば直ちに実行に移し、実行する際には背後にある根本識(第八識)がこれを成就させます。このように無量の神通が開発されるのです。意識が干渉する時、意識は自身の生活経験と現実的習気に基づき「これはするな」「あれは危険だ」と影響を与えます。意識は真実相(究極的真理)を知らないため、全ての思考が誤っており、末那識への干渉は極めて大きいのです。意識の干渉がない状況下では、誰もが神通の潜在能力を開発できます。

現在催眠師の役割は意識の機能を代替し、催眠師が言うことを末那識が信じ、信じたことを即座に実現します。神通力はこのように生起し、催眠の原理もまた同様なのです。

——生如法師の開示
前の記事前の記事

鬼道衆生となる根本因

次の記事 次の記事

修行には定慧の等持が必要です

ページのトップへ戻る