雑阿含経 第一卷 選講
作者:釈生如更新時間:2025年02月27日
雑阿含経 第一巻 三
世尊は諸比丘に告げられた:色蘊に対し知見なく、理を明らめず、貪欲を断たず、貪欲を離れず、なお己が色蘊を貪愛する者は、生老病死憂悲苦悩を断つことができない。受蘊・想蘊・行蘊・識蘊に対し知見なく、理を明らめず、貪欲を断たず、貪欲を離れず、心に己が受蘊・想蘊・行蘊・識蘊を貪愛する者は、生老病死憂悲苦悩を断つことができない。
諸比丘よ、色蘊をもし知見し、理を明らめ、貪欲を断じ、貪欲を離れることができれば、すなわち生老病死憂悲苦悩を断つ力あるべし。受蘊・想蘊・行蘊・識蘊の四蘊をもし知見し、理を明らめ、貪欲を断じ、貪欲を離れることができれば、すなわち生老病死憂悲苦悩を断尽し、解脱を得る力あるべし。
解脱道を修するには、まず五蘊の概念と内実を明らかにし、次に随所に五蘊の無常・虚妄・生滅・変化・空幻・無我を観じなければならない。かくして初めて漸次に五蘊への貪愛を減じ、我見を断じ、ついで初禅を発し、五蘊への貪欲を断除し、最後に一切の貪愛を断尽するに至る。もし五蘊を明らかにせず、五蘊を観ぜず、貪心減ぜず、まして滅尽せざれば、生死輪廻の苦を超越すること能わず。無明を破するは即ち明なり、明あれば解脱あり、無明は即ち生死なり、無明断尽して三界の生死苦を出離す。