衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2018年10月25日    木曜日     第4 回の開示 合計950回の開示

《大乗顕識経》解説

原文:仏は賢護を見て、全身より光を放ち、賢護を照らされた。賢護この時、畏れを離れ、仏を三匝して右繞し、仏足を頂礼して申し上げた。「願わくは世尊、慈悲をもって教え示したまえ。私は今初めて仏の御許に清浄の信心を得、妙法を慕い問わんとす。然るに私は久しく生死に処し、煩悩の苦に溺れ、乱れた念が交錯し、戒等の業に作無の冥資あり。心に重きを奇とすれども、今この愚惑疑網の中より如何にして超え出で、生死を度すべきかを知らず。世尊は一切智にして普く一切を見通す。仏の出世は甚だ難く、遭遇すること稀なり。如意珠の如く衆生に楽を施す。仏は大いなる如意宝なり。一切衆生は皆仏に依って大安楽を得る。これ大いなる父母なり。衆生の善本、仏という父母によって正しき道を見ることを得る。唯願わくは慈悲をもって疑闇を開曉したまえ」

仏は賢護に告げた。「汝が疑いあるは、心のままに問え。我は汝のために分別して説かん」この時賢護、仏の許しを蒙り、心を専らにして問いを発し、一辺に住した。

釈:仏の出世は実に稀で遭い難きことなり。経典に説かれる如く、娑婆世界では極めて長き時を経て仏が出現する。賢劫には千仏が出現し、釈迦仏は第四仏、第五仏は弥勒仏なり。両仏出現の間隔は経典に九十六億年と記され、これは最も短き例なり。往々にして数多の大劫に仏なく、時に数十大劫を経ても仏出でず。一大劫とは地球の成住壊空の周期を指し、一小劫千六百八十万年に八十倍して一大劫となる。かくも長き期間仏なき世に生きる衆生の苦悩は測り知れず、生死の救済者なく輪廻より出づる期なし。仏の世に出づることは真に稀有希有なり。

「衆生仏に依って大安楽を得」とは表相的に説けば、仏を大父母と称す。理を究めれば、一切衆生は五蘊身内の如来仏に依って大安楽を得る。如来蔵は五蘊を生ずる父母、衆生に一切法を与える父母なり。五蘊身内の仏は三蔵十二部、成仏の法、解脱の法を衆生にもたらす。これを修学すれば大安楽を得。一切衆生は自らの如来蔵に依って大楽を得。如来蔵もまた衆生の父母にして一切を与え、衆生の善本なり。如来蔵あればこそ衆生は善法を修し、仏という父母によって修行の正路を見出し、解脱への希望を得る。唯願わくは世尊、慈悲をもって我等の疑闇を開き、無明疑惑を除きたまわん。

仏が賢護に「汝の疑いを許す。意のままに問え。我は一一に答えん」と告げた時、既に賢護の問いを知りての言葉なり。賢護は仏の許しを得て側に立ち、専心に問いを発せんとす。

——生如法師の開示
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