執取は想心所の機能であり、その作用は相を了別し、相を取り、その後、相に名前を付けることにあります。名前が生じると名言が現れ、相と名に対して承認がなされます。意根が相を取った後、初めて思量し如何に造作すべきかを決定します。もちろん五つの遍行心所法は反復的に運行し、最終的に総合的な決定を下すに至り、その後行動を起こすことが可能となります。故に、人が躊躇している様子を見れば、意識と意根が思量を重ね、絶え間なく作意・触・受・想・思を繰り返し、心所法が順次運行し、五つの別境心所法も運行に関与していることが分かります。その過程は極めて複雑です。従って人の脳は、コンピューターよりも無数倍複雑であり、コンピューターは人脳と比べるべくもありません。いわゆる人脳とは、主として意根の機能作用を指し、六識はそれに次ぐものとされます。
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