衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成

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日常法話

2025年09月30日    火曜日     第1開示 合計4484開示

五濁悪世でどうすれば身を清く保てるのか?

盗戒にはもう一つ、様々な手段で他人の信頼を盗み、相手の警戒心を解き、自分が様々なことを行いやすくすることも含まれます。例えば、相手の信頼を得て投資してもらいながら、結果的に資金が底をつき、利益を得られないばかりか元本も失う場合です。あるいは、他人に申し訳ないことをしておきながら、心からでない虚偽の懺悔をして、誠意なくただ相手の許しを得ようとする場合です。相手が信頼と理解を示した時点で、「信頼を盗む罪」が成立します。したがって、人として不誠実でありながら誠実そうに装うことも、盗戒を犯すことになります。他人の心や感情などを盗むこともすべて盗罪に当たり、悪い報いがあります。

盗みには、様々な虚偽の広告、脱税、帳簿の改ざん、虚偽の領収書を使った経費の不正請求、他社からの人材引き抜き、顧客の奪取、商売の横取りなども含まれます。こうした内容は数えきれないほど多く、多くの人が盗みを犯していることに気づいていません。世の中のどの隅にも貪・瞋・痴の三毒の煩悩が存在し、清らかな場所などありません。何を五濁悪世というのか? これこそが五濁悪世なのです。

世の中で会社を経営し社長をしている人々は、自らの経営行為をよく点検すべきです。法律違反をせず、戒めを破らず、流されないように貪・瞋・痴の三毒をあおるようなことをせず、悪しき風潮や習慣に従わず、できる限り法律・規則・法令に合致した経営を心がけてください。今生と来世の果報が最も重要であり、因果は現世の金銭や名声の利益よりもはるかに大きなものです。因果を重んじるべきであり、後悔しても間に合わない時が来てはいけません。娑婆世界全体が大きな染め缸のようなものであり、悪に染まらない者は極めて稀で、独り善がりでいられる者も極めて稀であり、清らかな身で退くことのできる者は極めて稀なのです。

では、人生における成功者とは、一体どういう人を指すのでしょうか? 何をもって成功というのか? 成功の定義とは何か? どれほどの期間の成功が、成功と言えるのか? 世の中の様々な様相は、ことごとく倒錯を極限まで体現しています。仏法に出会った後、独り善がりでいることを望むならば、日が昇れば働き、日が沈めば休み、食べて飲んで満腹になり、雨風をしのぐ住まいがあれば十分です。残りの時間はすべて修行に使い、平穏に日々を過ごすべきです。それ以外のことは考えるべきではありません。考えるだけで悪業を生むのです。


——生如法師の開示
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