衆生无边誓願度
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日常法話

2025年07月18日    金曜日     第1開示 合計4429開示

いかなる布施も現物布施である

仏が回向輪経を説かれた原文:かくの如く我聞けり。一時、仏は大摩尼金剛宝山峰の中に在して、大菩薩衆と倶に在りき。爾の時に世尊は金剛摩尼菩薩に告げて言わく、仏子よ、若し菩薩有りて大菩提を求め、一切の有情を救度せんと欲し、已に菩薩律儀戒学を受け、已に大菩提心を発起し、大悲愍有りて、常に一切の如来に奉事せんと欲し、諸の大菩薩の福徳資糧を広く積集せんと欲し、仏智を証せんと欲し、無礙の等持・総持・諸の解脱門・神通遊戯を以て、虚空中に大庫蔵を成らしめんと欲し、自らの手を如意宝の如くならしめんと欲する者は、是の如く奉施すべし。

 釈:以上は世尊が大菩提を求める菩薩の願いを説かれたものであり、菩薩が上述の願いを成就せんが為には、下記の如き布施を行うべきである。

 原文:唯だ願わくは一切の諸仏世尊、已に十地に住する諸の大菩薩、金剛を持つ者、当に我を憶念したまえ。弟子某甲は、已に菩提心を発し、未だ正道に安住せず。今、身心を持ち、一切の時に、一切の種を以て、三世の諸仏菩薩に奉施す。願わくは大自在の諸仏如来、已に大地を証する一切の菩薩、当に我を摂受したまい、我が大福徳・智慧資糧・猛利精進・広大心量・寂静調伏・神通自在・波羅蜜多をして速やかに円満を得せしめたまえ。

 釈:今、身心を持ち、一切の時に、一切の種を以て、三世の諸仏菩薩に奉施す。これらの言葉は菩薩が発願し、自らの身心を以て、一切の時に、一切種の宝物を用い、諸仏菩薩に供養奉施せんとするものである。願わくは諸仏菩薩、我を摂受したまい、我が大福徳・智慧資糧・猛利精進・広大心量・寂静調伏・神通自在・波羅蜜多をして速やかに円満を得せしめたまえ。これは実物供養であるべきであり、無物の観想ではない。後段に具体的な供養物が列挙されている。

原文:復た是の言を作す。唯だ大悲者よ、当に我を憶念したまえ。弟子某甲は生死に堕ち、大縄をもって繋がれ、牢獄に閉じ居り、正道の法を離れ、強力をもって逼られ、煩悩の怨敵に、頼る所なく救いなく、目無く依る所なく、導く者なく引率者なく、僻路を行き巡り、生死に向かい、大涅槃に背き、諸の悪趣に順い、将に険路に堕ちんとし、悪道に臨み仆さんとし、常に悪友に遇い、善知識を離れ、邪正に迷い、利あるも利なきも、義あるも義なきも、諸善を遠く離れ、不善を成就し、常に賢聖・諸仏菩薩に背き、生老病死・憂悩に迫られて安穏を得ず、怖れなく畏れなし。

心は常に散乱し、寂静を修することを欠き、調伏・施戒及び不放逸を遠く離れ、等持・総持の二門及び十地・法忍に遠く離れ、甚深の般若波羅蜜多及び平等性に安住できず、無量の慈悲喜捨を修せず、菩薩の三聚戒蘊を具足せず、無障無礙の大智を遠く離れ、寂滅の因に安住できず、善く成立した法を遠く離れ、神通・力・無所畏を遠く離れ、正念に住せず、成就できず、随行趣入・無忘失法を成就せず。

諸の功徳に乏しく、見取疑惑有りて、七等覚支を通達することを障られ、如実の八聖道支を修することを欠き、無量百千の苦悩に逼られて常に熾然とし、衆苦に逼迫され、心は常に下劣にして、忿恨散乱し、常に煩悩に順う。唯だ願わくは一切の諸仏菩薩、大悲愍に依りて、我が為に救護し、我が為に帰依し、我が為に導師とならんことを。唯だ願わくは我をして速やかに大正覚路・大菩提道・菩提資糧を円満得せしめんことを。又願わくは我をして速やかに如来十力・四無所畏・十八不共の諸如来法・無礙弁才・等持解脱陀羅尼門・功徳神通波羅蜜多を円満得せしめんことを。又願わくは我に一切成就・一切功徳を与えんことを。

 釈:これは大菩提心を発した菩薩が自らの一切の過咎を懺悔し、諸仏菩薩に摂受を願い、自らの願いを満たさんとするものである。

原文:復次、広大なる供養を転ぜんが為に、是の如く言うべし。又願わくは一切の諸仏世尊、已に大勢を得たる諸菩薩衆、当に我を憶念したまえ。弟子某甲は今、一切の仏菩薩の所に於て、大なる恭敬を転じ、承事供養し、身を以て奉献す。所有の十方の諸世界中の大荘厳具、所謂、種々の宝宮・諸宝荘厳・宝樹宝山・宝座宝壇・珍宝行列・宝蓋宝幢・宝飾瓔珞・真珠羅網・宝器宝聚・積宝光焔。

諸宝洲中の大末尼宝・清浄なる灯樹・宝鈴和鳴・末尼光曜・真金の瓔珞払子・垂覆連接・妙なる金蓮花・閻浮檀金を以て其の須と為す・金樹行列・種々の宝宮・宝雲靉靆・衆宝の滴を雨らす・諸の宝蔵殿・衆妙の末尼・間錯せる墙壁・宝珠の欄楯・大持明者の楽しむべき円苑・屋宅宝宮・殿堂樹林、皆愛楽すべきものなり。是の如き等を以て、摂取も受納もなく、一切の諸仏菩薩に回向す。

釈:この段は菩薩の具体的な供養である:承事供養し、身を以て奉献す。所有の十方の諸世界中の大荘厳具。これらの言葉は菩薩が身を以て自ら十方の諸仏菩薩に大荘厳具を奉献せんとすることを表す。後段は荘厳具の名称・種類であり、皆具体的な実物である。

身を以て大荘厳具を供養するとは、観想ではなく、実物による供養であることを示す。仮に観想であっても、実物を観想し顕現させ、諸仏菩薩の面前に奉らねばならない。さもなくば諸仏菩薩は実物を見られず、どうして供養を得たと言えようか? もし私が毎日観想して皆が三度の食事に満腹し、何々の美味なる飲食を摂ったとして、皆は本当に満腹するだろうか? もし諸仏菩薩に神通があり供養を得られるというならば、この供養はあなたが供養したのか、それとも諸仏菩薩が自ら神通で変現し、自ら自らを供養したのか?

原文:贍部洲中の所有の妙薬・長寿薬類・諸末尼宝・有情に与えて、求める衆薬・自然に美を成す・殊勝なる飲食・並びに諸の香樹・種々の異類・栴檀の妙樹・阿伽盧(沈香)樹・沈水赤檀・大葉恒花・能酔香等・諸樹の種類・楽しむべき妙香・摂取も受納もなく、諸の如意樹・大海中の種々の異類・諸末尼宝・如意宝珠・及び須弥山・鶏娑羅山・香山摩尼耶山・尹地(二合)耶大山・曼陀羅山・金剛山等・諸の大山中の種々の宝峰・宝台宝石・宝窟宝宮・宝飾宝片・衆宝の階道・諸末尼柱・諸宝灯輪・諸琉璃等・末尼の種類。

所有の天上の、無主の天宮・天の諸名花・悦意楽見・天の諸楽具・微風吹動・空宮行伍・和鳴美声・天の諸音楽・鼓せずして自然に美妙なる声を出す・天の諸衆鳥・空宮中に住して妙なる音声を鳴らす・並びに諸宝雲・大なる美声を出す・天の諸末尼・歌詠音楽・並びに諸の妙香・花樹鬘樹・塗香焼香樹・灯樹幢樹・幡樹宝樹。

此等の一切、摂取する所なく、一切の諸仏菩薩に奉施す。所有の一切、仏眼の睹る所の、諸仏刹中の大供養雲・花雲香雲・鬘雲焼香雲・塗香雲宝蓋雲・宝幢雲宝幡雲・宝衣雲宝聚雲・宝器雲・大末尼聚雲・種々微妙なる大宝珠雲・又、香油を以て大灯器に満たし、量は千界に等しく、灯炷を燃やし、量は百須弥なり、一切の諸仏世尊・諸大菩薩に奉施す。

 釈:これらは皆具体的な供養の荘厳具であり、実物である。

原文:是の供養より生ずる勝福を以て、併せて無上菩提に回向す。過去の仏の修したる諸善の如く、無所得を以て方便と為し、菩提に回向せしが如く、我も亦、是の如く、此の功徳を持ちて無上正等菩提に回向す。諸仏を勧請し、唯だ願わくは往きて菩提道場に赴き、魔怨を降伏し、大菩提を証し、大法輪を転ぜんことを。  滅度せんと欲する者には、諸の有情の為に、勧請して願わくは一大劫を満てるまで住したまわんことを。  一切の諸仏菩薩・一切の有情の修する所の諸福を随喜す。  一切の諸罪を発露懺悔す。三世の諸仏菩薩の罪障を懺悔するが如く、我も亦、是の如く、願わくは罪銷滅せん。

奉施乃至懺悔已み畢らんぬれば、即ち清浄心を以て、一切の諸仏菩薩を憶念し、仏像の前に對して、此の密言を誦し、八遍を満足せしむ。密言曰く、  オン・スパラ(二合)・スパラ(二合)・ビマナ・サラ・マカ(引)ジャクバ・ウン 

釈:この段の文は菩薩が自らの実物供養により修得した功徳を菩提に回向し、併せて懺悔滅罪を発願し、更に呪を誦するものである。

原文:密言を誦し已みて、即ち便ち欲に随って、天妙なる大供養雲を成就し、一切の仏所に現前することを得。若し善男子或いは善女人有りて、仏に念を繫げ、或いは昼或いは夜、是の大回向輪を転誦せば、此の善男子或いは善女人は、諸罪消滅し、一切の煩悩漸く微薄を得、前に説く所の功徳を獲ることを能くす。若し一遍を転ぜば、百の梵福を得、夢中に常に仏を見、命終の後、浄土に生ずることを得。仏、此の経を説き已みて、諸の菩薩衆、歓喜して奉行す。

 釈:菩薩が呪を誦した後、諸仏菩薩・護法神の加護の下に、所願を円満し、大供養雲を成就し、諸仏菩薩自らが現身される。

もし善男子・善女人が此の大回向輪経を読誦すれば、諸罪は消滅し、煩悩は漸く微少薄弱となり、勢力を成さず、前段に説かれた功徳を獲得できる。若し一遍を誦持すれば、百種の清浄なる福徳を具え得、夢中に常に仏を見、命終して浄土に往生する。これは経を誦する功徳が殊勝であることを意味するが、如何に経を誦し、如何なる程度まで誦持すれば此の功徳を得るかについては、尚いくつかの説き方と条件がある。

送られて来た経文は、人為的な句読点・人為的な句読点の修正・人為的な段落分けを経て、経文中の意味が曖昧模糊となり、その真実義を理解し難くなっている。私は更に時間を割いて再修正し、経文の義理を顕彰し、意味を明晰ならしめた。今後、仏経を読むには、大蔵経中の原文、人為的に手を加えられていない経文を読むべきであり、仏の原意が歪められることがないようにすべきである。


——生如法師の開示
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