優婆塞五戒相経 第五節 原文:仏は種々に飲酒の過失を呵責した後、諸比丘に告げた。優婆塞が飲んではならない酒には二種ある。穀酒と木酒である。木酒とは、あるいは根・茎・葉・花・果を用い、あるいは種々の種子・諸薬草を雑えて酒を作り、酒色・酒香・酒味を有し、飲めば人を酔わせるものをいう。これを酒と名づける。もし優婆塞が嘗めて嚥下するならば、これもまた飲むと名づけて犯となる。もし穀酒を飲むならば、飲むごとに犯す。もし醸造酒を飲むならば、嚥下するごとに犯す。もし甘酒を飲むならば、嚥下するごとに犯す。もし酒母を食して酔わせるものならば、嚥下するごとに犯す。もし酒粕を食するならば、嚥下するごとに犯す。もし酒澱を飲むならば、嚥下するごとに犯す。もし似たる酒色・酒香・酒味を有し、人を酔わせるものを飲むならば、嚥下するごとに犯す。もしただ酒の色を作すも、酒香なく酒味なく、人を酔わせず、その他もないならば、飲み食いしていずれも犯とならない。
解釈:仏が種々の言葉で飲酒の過失を呵責した後、諸比丘たちに言われた:優婆塞が飲んではならない酒には二種ある。一つは穀物で醸造した酒、もう一つは草木酒である。草木酒とは植物の根・茎・葉・花・果で醸した酒、あるいは種子・諸薬・雑草で醸した酒で、酒色・酒香・酒味があり、飲めば人を酔わせるものを酒という。もし優婆塞が味わって食道に飲み下せば、飲酒戒を犯したことになる。穀酒を飲むならば、喉を通るごとに犯となる。醸造酒を飲むならば、喉を通るごとに犯となる。甘酒を飲むならば、喉を通るごとに犯となる。酒母(醸造原料)を飲食して酔わせるものならば、喉を通るごとに犯となる。酒粕を飲食するならば、喉を通るごとに犯となる。酒滓を飲むならば、喉を通るごとに犯となる。酒に似た色・香・味を持ち、人を酔わせるものを飲むならば、喉を通るごとに犯となる。もし酒の色だけを呈し、酒の香りも味もなく、人を酔わせず、その他の作用もないならば、飲食してもいずれも犯とはならない。
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