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日常法話

2025年07月02日    水曜日     第1開示 合計4419開示

無主物横領罪

優婆塞五戒相経 第二節 原文:或る人、祇洹の間に在りて耕垦す。衣を脱ぎて田の一面に着く。時に居士有り、四向かって人無しと望み見る。便ち衣を持ち去る。時に耕者遥かに見て、居士に語りて言く。我が衣を取る勿れと。居士聞かず。猶お主無しと謂う。故に衣を持ち去る。耕人は即ち後に随って之を捉え、居士に語りて言く。汝の法、応に与えずして取るべきかと。居士答えて言く。我は主無しと謂う。故に之を取る耳。豈に法宜しく然るべきやと。耕人言く。此れは我が衣なりと。居士言く。是れ汝が衣なる者は、便ち持って去るべしと。

釈:或る人が祇洹という場所の田畑で耕作し、衣服を脱いで畑の脇に置いていた。その時、一人の居士がやって来て周囲を見渡し人がいないのを確認すると、衣服を持ち去った。畑を耕していた人は遠くからそれを見て居士に「私の服を取らないでくれ」と言ったが、居士は聞こえず、依然として落し物だと思い、衣服を持ち去った。耕作者はすぐに後を追いかけて彼を捕らえ、「お前は盗みをしようとしたのか」と言った。居士は「落し物だと思ったから持ち帰ったのだ。これが道理にかなわないというのか」と答えた。耕作者は「これは私の服だ」と言うと、居士は「お前の服なら、持って帰れ」と言った。

原文:居士疑いを生ず。我将に無犯不可悔なるかと。即ち仏の所に往き、此の事を咨質す。仏知りて故に問う。汝は何の心を以て之を取れるかと。居士白して言く。謂う所は主無しと。仏言く無犯なり。自今已後、物を取る者は、善く籌量を加うべし。或は自ら物有り。人守ると雖も無く、而も実に主有る者なり。若し心を発して偷わんと欲して未だ取らざる者は、下可悔を犯す。取りて五錢に満たざる者は、中可悔を犯す。取りて五錢に満つるは、不可悔を犯す。

釈:その後、居士は自身の行為に疑念を抱き「私は不可悔罪を犯してしまったのではないか」と言った。そして直ちに仏陀の元へ赴き、この件について相談した。仏陀は事情を知りながら敢えて「お前はどんな心持ちでその服を持ち去ったのか」と尋ねた。居士は「落し物だと思ったから持ち去りました」と答えた。仏陀は「お前は罪を犯していない。しかし今後物を取る際は、よく考えて判断せよ。物には所有者がいる場合がある。たとえ見張る人がいなくても、実際には所有者がいるのだ。もし盗もうとする心を起こしたがまだ取っていない場合は、下等の可悔罪を犯す。盗んで五錢に満たない価値の物は、中等の可悔罪を犯す。盗んだ物が五錢以上の価値に達する場合は、不可悔罪を犯す」と説かれた。


——生如法師の開示
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