優婆塞五戒相経 第二節 原文:ある居士が大根を栽培していた。またある人が畑にやって来て、居士に言った。「私に大根をください」。居士は尋ねた。「代金はお持ちですか、それともただでお求めですか」。その人は答えた。「私はお金を持っていません」。居士は言った。「もし大根が必要なら、代金を持ってきてください。もし私がただであなたに与えたら、朝夕の食事をどうやって賄えばよいのですか」。客は言った。「あなたは本当に私にくれないのですか」。主人は言った。「どうしてあなたにあげられようか」。客は呪術を使って野菜を枯らしてしまった。後になって自ら疑念が生じた。「もしかすると犯してはならない不可悔の罪を犯してしまったのではないか」。そこで如来のもとへ行って決断を求めた。仏は言われた。「損害を与えた価値によって犯した罪を計り、悔いることができるか否かを判断せよ。茎や葉、花や実は全て根と同じ価値である」。
解釈:ある居士が大根を栽培していたところ、またある人が大根畑にやって来て居士に言った。「私に大根をください」。居士はその人に尋ねた。「お金は払うのですか? それともただでお求めですか?」。その人は答えた。「私はお金を持っていません」。居士は言った。「もし大根が必要なら、お金を持ってきてください。もし私がただであなたに与えたら、何で生計を立てて生活すればよいのですか」。その人は言った。「本当に私にくださらないのですか」。居士は言った。「どうしてあなたにあげられましょうか」。その人はそこで呪術を使って野菜を枯らしてしまった。帰った後、彼は自ら疑念を抱き始めた。「私は不可悔の罪を犯してしまったのではないだろうか」。そこで仏のもとに行き、仏に明示を請うた。仏は言われた。「あなたが損壊した野菜の価値に基づいて、あなたの犯した罪が悔いることができるものか否かを決定しなさい。茎や葉、花や果実は根と同じ価値として計算する」。
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