第一節 殺戒第一
(三)原文:復た三種の人命を奪うものあり。一に内色を用いる。二に非内色を用いる。三に内非内色を用いる。内色とは、優婆塞が手をもって他者を打ち、若しくは足その他の身体部位を用い、かくの如き念いをなす:彼をして死に至らしめんと。彼がこれにより死せば、これは不可悔の罪に当たる。若し即時に死なずとも、後にこれが原因で死すれば、同様に不可悔の罪となる。若し即時に死なず、後にこれが原因で死なざれば、これは中罪可悔なり。
釈:また三種の殺人方法があり、第一は自らの内色、すなわち身体を用いて人を殺すこと。第二は非内色を用いる、つまり身体以外の殺傷器具を用いること。第三は内色と非内色を併用する、すなわち手に凶器を取って人を殺すことである。内色とは優婆塞の肉身を指し、身体の一部を用いて打撃を加えることをいう。例えば手で殴打し、あるいは足で蹴り、頭で突き、その他の身体部位で攻撃する場合である。同時に「かくして彼を殺さん」との意思を有する。打たれた者がこれにより死亡した場合、優婆塞は不可悔の殺生罪を犯したこととなる。即死しなかった者も後にこの傷が原因で死亡すれば、同様に不可悔の罪となる。即死せず、後にこの傷が原因で死亡しなかった場合には、中罪可悔の罪となる。
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