禅宗の祖師はこう説かれています。「悟りの後も旧時の人に異ならず、ただ旧時の行いの場にあらず」と。その意味は、悟りを証した後も人は元と同じ人であるが、人として事に当たる心の行いが変化し、以前とは異なり、過去の心の行いとは違うものとなる。物事に取り組む心構えが変わり、世界に対する見方が変わり、五蘊の身に対する知見が変わる。これらの変化は、悟りの証しが単に意識の悟りだけでなく、意根が必ず悟らなければならないことを示している。そうしてこそ悟りの後も旧時の人に異ならないが、しかし旧時の行いの場ではないのである。もし行いの場に変化がなく、心の行いや本性に変化がないならば、自らが真の悟りか偽りの悟りかを検証すべきである。
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