身口意の行いを管理する鍵は意根を調伏すること

自らの意根をよく制御することができれば、六識の身口意の行いを制御することができます。阿羅漢の意根は既に調伏され、煩悩を断じ、世間に未練や貪愛を残さず、三果より心は解脱を得、身口意の行いが清浄となります。普段托鉢に出る際には、目は前方一尺の地を見つめ、眉を低くし目を和らげ、左右や他方に顧みることなく、眼は乱れず触れず、心は乱れず想わず、一心あるいは無心となります。眼が色塵に触れざるを得ない時も、色を知るに即ち止まり、受想を生ぜず、まして取を生じず、業種を留めず、後に受けることなく、四大威儀が人天の大衆を感動させます。

仮に外境の影響があっても、意識はそれに染まらず、まして意根はさらに染まることがありません。たとえ意識に微動があっても、意根は動かず、煩悩が断尽している故です。阿羅漢たちは意識を用いて意根を督促・監督・調節せず、逆に意根が意識を調節します。修行の道程にある凡夫衆生は、意識を用いて常に意根を監督し、調節し、制限しなければなりません。意根が染まらないため、調節しなければ人苗稼を犯し、本性が露わになるからです。故に常に意識で自らを戒める者は修行が未熟であり、まして意識すら迷い覚めぬ者は、修行があるとは到底言えません。ただ意根が染まって無明を破った後、身口意の行いが次第に清浄となり、自ずと覚め、看護を要しなくなります。