酒品と人品は意根の品質です

酔った後の状態は意根の習気を反映するものであり、意根の本来の姿を示しております。酒を飲んだ後には脳神経が麻痺され、五根の作用が弱まります。それに伴い生じる六識の了別力も弱まり、六つの偵察員が六塵の境界をあるがままに観察できなくなります。こうして意根は情報源を切断、あるいは半切断し、意識の参謀補佐としての役割も十分に発揮されません。意識の思考力が弱まることで、意根に対する監督・指導・管理の力も緩み、意根は自らの本性に従って振る舞います。この時、意根自身の智慧のみが頼りとなり、意根の本性と品性が完全に顕現するのでございます。「酔えば本音を吐く」とは、酒後の発言が完全にその人の意根の心の声であり、意識による隠蔽や虚飾のない真実の考えを示すことを指します。世間で言われる「酒品と人品」とは、まさに意根の品性を指すものであり、これがその人の本来の面目であります。