問:夏にエアコンをつけたまま寝入ると、時々夢を見て、自分が氷雪の世界を歩いているのを夢見、全身が冷え切ったように感じることがあります。唯識の観点から見ると、これはどのような現象なのでしょうか。
答:夜中にエアコンをつけたまま眠りに落ちると、身体は非常に冷えていますが、六識が冷たさを感知していないため、身体の冷えを解決することができません。末那識は眠りにつくことがなく、身体が冷えていることを知りながらも、この問題を処理する手段がなく、自分で布団を掛けたりエアコンを切ったりすることができません。この問題を解決するために、身体が冷えているという夢を見るようになり、夢の中で意識に身体の冷たさを感じさせ、氷雪の地で震え上がらせるのです。
意識が機敏であれば目を覚まし、覚醒後本当に身体が冷えていることを認識し、なぜ冷えるのかを観察してエアコンが作動していることを知り、エアコンを切り布団を掛け直して問題を処理した後、再び眠りにつきます。意識の警戒心が弱い場合は凍え続け、夜明けまで目覚めず、風邪を引くに至ることもあります。この事実は末那識が多くの法を知覚し得るものの、六識という助手の補佐がなければ何事も成し得ず、五蘊の活動を運営できないことを証明しています。六識は末那識に奉仕し、末那識の為に働き、その要求を満たす存在なのです。
夢境は全て末那識が思念によって生み出すもので、末那識の心理活動は多方面に現れます。夢の中に現れ、身口意の行為造作に現れ、様々な心念活動に現れ、情緒に現れ、身体の無意識的反応に現れ、身体の自覚なき反応に現れます。末那識は阿頼耶識と共に色身と五蘊を制御調節しており、末那識が心を動かせば身体も動き、五蘊が活動を始めるのです。
普通の人が観察できるのは六識の表面現象のみで、あるいは末那識の心行までも意識に帰属させ、末那識と意識の心行を区別できません。意識が消失するか微弱化した後、末那識は非常に五蘊活動を欲し、五蘊が正常に運行することを望みますが、六識が現れず六識が脆弱であるため、五蘊を運行させることができません。この末那識の焦燥感と無力感は通常人には体得できず、仮に知覚したとしてもこれを意識の焦燥と無力と誤解し、思想的認知は意識の域に留まり、意識を最優先するが故に、意識背後にある末那識の深層心理まで探究することができないのです。
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