衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成

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日常法話

2024年06月08日    土曜日     第1開示 合計4187開示

金剛経の宗旨

『金剛経』全体の宗旨を概観すると、それは離相、離相、離相、一切の相を離れることにあり、四相を離れることから始まり、一切の法相を離れることにある。この一切の法相の範囲は広大無辺であり、衆生が触れ得るもの、見え得るもの、思惟し得るもの、想像し得るもの、議論し得るものは全て非相であり、世俗界における三界内の一切の法、一切の相、我相、人相、衆生相、寿者相、声聞相、縁覚相、菩薩相、仏の三十二相と具足の身相、如来相、大身相、国土相、微塵相、世界相、一合相、衆生心相、菩薩が菩提心を発する相、菩薩が国土を荘厳する相、菩薩が衆生を度す相、諸仏の説法相、諸仏が法を得る相、諸仏が菩提を得る相、菩薩の六波羅蜜相、さらには般若波羅蜜多相、仏法相、諸法実相相などなどが含まれる。凡べて相あるものは皆な非相であり、非非相であり、非法非非法である。
では、この一切の相を離れる根拠は何か。その根拠は不生不滅の金剛心である。この金剛不壊の心があるが故に、生じ出る一切の法相は非相であり、より円融に言えば非非相でもある。それ故に、金剛般若心はまた一相無相の大総持法門とも名付けられ、一切の相を保持し、一切の法を摂取し、一切の法をして自性なく自相なきものと導き、一切の法を非法非非法ならしめ、世間を空寂、空虚、空幻ならしめるのである。
『金剛経』が相を離れる過程と結果は、観音菩薩の耳根円通法門と遥かに呼応し、空ずべき一切を空じ去り、ただ如何なる方法でも空じ去ることのできない金剛般若心だけを彼岸に、非彼岸に、非非彼岸に、孤寂にして伴侶なく、ただ一真法界として残すのである。

『金剛経』はまた一切の般若経典、大乗経典と遥かに呼応し、互いに相い照らし合い、些かの違和もなく、空の外は空であり、空の極みに至れば、非空、非非空となる。世人はこれを理解できようか、契会できようか。もし契会するならば、心中にまだ相があるだろうか、まだ何かを執着しているだろうか。無論、この間には三大阿僧祇劫(あそうぎこう)という実証の道程があり、一つの相また一つの相を離れ、離れ尽くして本来に還り、家に帰って安坐する必要があるが、その時には既に帰る家もなく、坐る場所もなく、安坐する身すらも無くなっている。これはまさしく赤裸々で、空々たる大解脱の法門ではないだろうか。世人よ、一刻も早く一つの相また一つの相を捨て去ろう、一刻も早く纏縛された窒息感から脱却しよう、一刻も早く一切の負累を捨て去ろう!

——生如法師の開示
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