三昧の状態においてのみ法を証することができる

惟如の四念処観行体験：この二年間は主に四念処を観じ、不浄観と白骨観を修練してきた。ここ半年ほど、身体に様々な反応が続き、師匠から頭を叩く方法や灸治療、生姜湯で洗髪する方法を教わった。灸用の帽子を被るようになってだいぶ良くなったが、まだ完全には回復していない。頭頂から風が入り込むような感覚があり、今も卵大の範囲で髪を引っ張られるような膨張感と熱っぽさを感じるが、軽安の快適さもあり、目もずいぶん良くなった。

以前結婚時に住んでいた家が崩壊した時、最初は悲しく惜しく思ったが、転じて考えれば家も人の身体も同じく壊れ滅びるものだと悟り、心を解き放つことができた。病院で舅を見舞った際、入院している老人たちが皆チューブで呼吸を保っている姿を見て、近頃あらゆる色身を見る度に疑情が湧くようになったため、その場で色身不浄を観じ続けた。ふと我に返ると、脳裏にこれらの老人が横たわる白骨となって現れ、父の火葬時の粉々になった骨が塵のように浮かんでは消える光景が浮かんだ。

よく考えれば親族はこの世限りの縁に過ぎず、修行の障礙となっていると気付いてから、親情が薄れ心が定まり修行に精進できるようになった。親族や家屋の本質も空で不実在だと観想すれば、執着を捨て悲しみから解放される。人事の無常を目の当たりにするほど、内心は堅固になり信心は強まり、心空観の法義が軽やかに働いて妄念が起きなくなった。

正月前のこの時期、家の用事でよく呼ばれるが、聞いたことをすぐ忘れ何度も聞き間違え失敗するので、頭の回転が鈍り支障を来している。頭頂に風穴が開いたように感じ、頭皮が水や風に触れると頭が割れるような苦痛がある。目鼻から絶えず分泌物が出て目が渇き物が見づらく、耳も鳴り響いている。しかし不思議なことに、身体はこの状態でも心の内外に仏号の声が満ちている。以前は心が清浄な時のみ脳裏で聞こえていた仏号が、最近は焦れば焦るほど鮮明に響き渡り、途切れることなく続いている。

評釈：修行中に現れるこれらの身体現象は、四念処の修習によって深い禅定に入り、念仏三昧と軽微な白骨観三昧の状態にあることを示す。内心の念仏声は意識的に出るものではなく、意根が念仏三昧にあり意識の制御を超えている。同時に深い観行の智慧が働き、定慧が等持しているため我見を断ちやすい状態にある。家屋や親族への感想は意識的分析に留まり現量ではないが、病院での白骨観は意根が主導する三昧境界の表れである。禅定が更に深まり白骨が自然に現前すれば、我見を断つのは容易になる。頭部の現象は気脈が頭全体を貫通しつつある兆候で、任督二脈あるいは中脈が開通すれば身体の障礙は消える。これは我見断除が近く、その後さらに深い禅定と吉祥の兆しが現れる前触れである。