あらゆる心境や情緒、心理活動、人事物の理に対する認識や見識、分別などの識心の機能作用は、すべて意識と意根の二種に分けられ、その層次の深浅に違いがあり、両者の間には一定の区別が存在し、完全に一致相同ではない。
例えば忍耐力は、意識の忍耐と意根の忍耐の二種に分かれる。両者ともに忍耐を持つ場合もあれば、一方のみが忍耐を持つ場合もある。意根に忍耐がなくなった時、意識の忍耐は長続きしない。例えば一つのことを長時間続けると、意根は忍耐を失い継続を望まなくなるが、意識の方はまだ見せかけの堅持を続けている。いわゆる見せかけとは、意識と意根という二つの心理が一致せず、それぞれ異なる考えを持ちながら、一時的に現状を維持している状態を指す。実際には意根は別のことを考え始めており、考えがまとまると他の事柄を選択実行するため、意識は主体性を発揮して堅持を続けることができず、意識の忍耐は終了する。
意識に忍耐がなく意根に忍耐がある場合、意識が心ここにあらずで様々な考えを巡らせていても、意根が堅持を変えないため他の選択をせず、意識は選択の余地なく継続を余儀なくされる。両者ともに忍耐を有する時、物事に取り組む態度は変化せず、数年一日の如く、数日一日の如く同じことを続け、心に倦怠感や怠惰が生じない。
10
+1