阿弥陀経原文:かの国には常に種々奇妙なる雑色の鳥あり。白鶴・孔雀・鸚鵡・舎利・迦陵頻伽・共命の鳥なり。これら諸々の鳥は昼夜六時に和雅の音を出だす。その音は演暢して五根五力・七菩提分・八聖道分などの法を説く。かの土の衆生はこの音を聞き已て、皆ことごとく仏を念じ法を念じ僧を念ず。
釈:これは極楽世界における衆生の修行の状況を紹介したものである。極楽世界には常に種々の奇妙な色彩をした鳥類が存在し、白鶴・孔雀・鸚鵡・舎利・迦陵頻伽・共命の鳥が、昼夜六時に和やかで雅やかな音声を発する。これらの音声が演ずる内容は三十七道品である。この和雅音は極楽世界の蓮華台に住む衆生に向けて発せられる。衆生はこれを聞いて、三宝の恩徳と功徳を念ずるのである。
故に衆生が極楽世界に往生しても、なお四聖諦の法及び助道の法を修めなければならない。依然として五蘊無我を薫習し、我見を断つ基礎を築き、明心見性して華開き仏を見る基礎を固めねばならない。私たちが娑婆世界で仏法を学び修行する際、阿含経を学ばず、四聖諦を理解せず、三十七道品を修めないでよいのか。多く法を修め、多く理を明らかにするほど、往生への保障が増し、極楽世界に到ってからの修行がより迅速となる。極楽世界に往生した衆生は、過去の願力・発心・修行法によって大小乗に分かれるが、大乗者も小乗者も蓮華台において四聖諦と三十七道品を薫習し、煩悩を降伏させて初めて蓮華台を出て仏菩薩に謁し法を聞くことができ、証果を得て明心見性する機縁を得るのである。
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