衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2023年09月15日    金曜日     第1 回の開示 合計4012回の開示

逆境の効用

人間の弱点、欠点、習気、煩悩、そして様々な執着は、全て自発的に改められるものではありません。環境や条件が許さず、やむを得ず改める場合もあります。厚い壁に突き当たり、この道が不通であることを示され、迂回を余儀なくされた時、初めて方向転換するのです。そうして一つの弱点が克服され、一つの欠点が消え、一つの習気煩悩が消滅し、一つの執着が消え去ります。

人生における数々の不如意や逆境は、まるで壁のように、私たちが従来の認識や習気に従って進むことを阻みます。そこで新たな道を選ぶと、結果的にはその道が良いものであることに気付きます。故に逆境や挫折は敵ではなく、壁も敵ではありません。それらは人生の導師であり、私たちを別の光明の道へと導くのです。習気煩悩の強い人、自らを律せない人こそ、多く壁にぶつかるべきです。そうして初めて覚醒と方向転換の機会が訪れます。悪業をなす者には、悪を為した直後に報いが訪れるべきです。そうすれば悪業が為すべからざることを悟り、次第に悪しき心を収めるでしょう。逆境に際して深く思索し、方向転換の道理を悟れば、運気が転じる機会は速やかに訪れます。

もし人が生涯順風満帆であれば、彼は永遠に元のままの姿を保ち、煩悩に悩み、無明愚痴に囚われ、無知無畏のまま生死流転に終わりがありません。多く壁にぶつかり、旧来の道が不通であることを知って初めて変通を覚え、古い執着を改め、智慧が生起するのです。故に逆境もまた良く、壁もまた良いのです。ある時は善人が悪人となり、好事が悪事となり、別の時には悪人が善人となり、悪事が好事となる。これは弁証法的に見る必要があり、結果、特に未来の究竟的な結果を見極めなければなりません。

深い執着によって世間の一切法から離れられない時、もし世間の一切法が自発的にあなたから離れ、修行のための基本的な生活資源だけが残されるなら、それは願っても得難いことです。しかし臨命終時、確かに一切法は自らから離れ消滅するのに、何故誰一人として意根がこの機会に我執を断ち切れず、諸法が無常で得難いものだと悟れないのでしょうか。このような状況で他人が第八識を説いても、あなたは悟りを開けるでしょうか。

——生如法師の開示
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