身見を断つ方法

問：身体を構成する全ての微粒子（物質）の所有権が地球に帰属し、運動するエネルギーの所有権が太陽に帰属すると仮定します。貸し出された物質とエネルギーを除いた空虚な状態において、何が自分であるかわからなくなります。このような思考は身見を断つ助けになりますか？

答：このような帰還方法は身見を断つ助けになります。楞厳経で仏が説かれた通りです。ただし身体内の物質色法を地球や太陽に帰属させるのは誤りです。地球も太陽も物質色法であり、これらにも帰還すべき主人が存在します。地球や太陽を物質色法の主人と見做すのは依然として誤見であり、身見を断つことはできません。色身内の物質色法の主人は如来蔵です。如来蔵が四大種子を用いて四大微粒子を形成し、微粒子が継続的に凝集して色身を形成します。一つの受精卵から胎児の色身へ、出生後の乳幼児の色身へ、さらに青少年や成人の色身へと凝集を続け、老年期を経て四大種子が如来蔵に帰還し色身が滅する全過程は、如来蔵が物質色法の主人であることを示しています。色身全体が生じ変化するものであり空なるが故に無我であると観じれば、身見を断つことができます。ただし四大種子が色身を形成する過程を実際に観行することは困難です。この観行方法は徹底的ではありますが、定慧が不足している場合には、四聖諦の観点から身見を断つ方が容易です。