意識は意根を効果的に薫習し変化させるべきである

多くの人々は境遇に直面した際、喜怒哀楽の感情を無自覚に表出し、後になって気付くと、それらの感情はあらかじめ定められたものであり、自らの意思ではどうにもならないと述べます。実はこれらは全て意根の煩悩習気であり、意根の自然な反応が六識によって顕現したものなのです。感情が顕現した後、意識が覚醒して明らかになり、自らに喜怒哀楽が生じていたことに初めて気付きます。意識がこれを認識すると、あたかも自らの制御が及ばないかのように感じ、やむを得ずこれらの感情が予め定められたものであると説くのです。もし意識の覚醒性が高く、定力に優れ、観察力が鋭ければ、意根の一部の感情や心理状態を観察し、ある程度情緒を制御することが可能です。特に平常時より自己教育を重ね、これによって意根を薫染し、意根に存在すべきでない煩悩習気を改めるべきです。

ある人々は意識の思想的感情も正しくなく、自己教育を行う能力がなく、効果的な心理的構築ができないため、意識が如何に奮闘しても意根の習慣的領域を脱し得ないと言い訳します。もし意識が如何に奮闘しても意根の習慣的領域を脱せないなら、修行に何の意義があろうか。修行とはまさに意識をもって意根を改めようとするものであり、意識が真摯に奮闘すれば、意根は意識に随順せざるを得ず、修行は正道に適うのです。

意根の様々な心行や思想的感情が、種々の身口意の行いを引き起こします。清浄なる善の身口意の行いを有したいと願うならば、意識の能动性と指導的役割を十分に発揮し、積極的に意根を善へと導き、清浄なる身口意の行いと福徳ある身口意の行いを造作すべきです。もし意根の習性が過重である場合、意識は悪と知りながら改められず、あたかも中毒の症状が現れるが如く、毒が己を害すると知りながらなお摂取を止められないのです。衆生の煩悩が重き時、煩悩と知り、煩悩に過患あると知りながら、なお煩悩を止め得ません。これは初心の修行者の状態であり、修業の道程はまだ遥か遠いのです。