意識の知らぬ意触の法

意根は如来蔵と常に相伴い、如来蔵がどの法を現じても、意根はそれに触れ、それを見る。しかし、意根の了別も重点と次元が分かれており、意根が重視する法を自身で明確に了別できない場合、作意と決断が生じ、六識が出現して了別を行う。もし意根自身が明確に了別できる法であっても処理が不可能な場合、作意と決断によって六識を出現させ、了別と処理をさせる。

意根自身が明確に了別でき、処理を必要としない法は極めて多く、意識はそれを全く知らない。また意根が触れる法のうち、六識による了別を必要としないものも極めて多く、意識はそれを全く知らない。意根が触れ明確に了別する法も極めて多く、意識に知らせ処理させたいと思うものも極めて多い。しかし、意識は智慧不足のためそれを知ることができず、曖昧模糊としており、意根の提示や暗示に対しても不可解に感じ、結局はうやむやのまま終わる。

如来蔵が六塵の境界を現じると、六塵が最初に現れた時、真っ先に触れ了別するのは意根である。意根が六塵を明確に了別できないと、六識が出現して仔細に了別する。六識が了別を始めた当初、六塵に対比できるものがなく、やはり明確に了別できず、意識は朦朧とした感覚を抱く。数刹那了別した後、前後の六塵に対比できるものが生じ、塵境に連続性が生まれて初めて、意識は六塵が何であるかを認識する。例えば文字を書く場合、一画目を書いても他人は何の字か分からず、二画目を書いても分からない。三画目を書くとぼんやりと推測でき、四画目を書いて初めて何の字か分かるのである。