原文:ここに知るべし、この中の金剛喩定に摂せられる作意は、加行究竟の作意と名づく。最上の阿羅漢果に摂せられる作意は、加行究竟果の作意と名づく。かくの如き多種の作意によって、出世間道に依って究竟を証得す。この一切を声聞地と名づく。これは一切の正等覚者の説きたまうところ、一切の声聞に相応する教法の根本なり。あたかも一切の名身・句身・文身のごとく、これ造作する文章・呪術・異論の根本なり。
釈:修道上において、金剛喩定に摂受される作意を加行究竟作意と称し、最上の阿羅漢果に摂受される作意を加行究竟果作意と称することを知るべきである。このような多様な作意によって、出世間道に依拠して初めて究竟を証得できる。この一切の相を声聞地と総称する。これは一切の正等覚者たる諸仏が説かれた、声聞乗に相応する根本教法であって、あたかも全ての名身・句身・文身が文章や呪術、異論を構成する基盤であるように、これらは教法を成立させる根源なのである。
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