衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成

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日常法話

2022年12月18日    日曜日     第2開示 合計3788開示

意根は前世のいかなる情報を伝えるか

例えば、憨山大師が蘇東坡の遺品を目にした際、非常に親しみを感じ、懐かしさを覚えました。これは意根(末那識)が伝えた情報であり、意識がそれを了別し、親しみの感情を生じさせたものです。この了別は漠然としており、何が何だかはっきりしませんが、感じ方は非常に鮮明であり、これこそが意根が意識にもたらした感覚です。もし意識に智慧があって意根の思惑をさらに識別できれば、より多く、より詳細で正確な情報を知ることができ、単に懐かしい、親しいという感覚だけでは終わらなかったでしょう。そうなれば、意根は自らの思惑を満たし、さらに進んだ考えや行動を起こす可能性があったのです。

例えば、乙が陰でいつも甲の悪口を言っている場合、甲の意識は知らなくても、意根はそれを感知しています。そうすると、甲が乙に会った時、意根は必ず情報を伝達するため、意識は訳もわからず居心地の悪さを感じ、乙をあまり好ましく思わなくなるでしょう。しかし、具体的にどうして嫌なのか、意識は理解できません。意根は理解していますが、それを表現することはできません。もし意識に智慧があれば、その理由を知ることができ、乙がいつも自分の悪口を言っていることを知り、何らかの行動を起こして仕返しをしようと計画するかもしれません。意根が一度でもその報復に同意すれば、甲乙二人の間には何かが起こるでしょう。ですから、陰で人を議論したり評価したりするのはやめましょう。ましてや陰で人を陥れたり足を引っ張ったりするのはなおさらです。なぜなら、どんな秘密も漏れ、壁に耳ありです。人と悪縁を結べば、遅かれ早かれ報いを受けます。因果の外に出られる者などおらず、結果を生まないことなど何一つないのです。

意根はまた、貪・瞋・痴といったあらゆる煩悩を意識に伝えることもできます。例えば、財物への貪欲心です。財物を見るとそれを自分のものにしたくなり、意識は気が引けたり、あまり大胆には行動できなかったりします。しかし、意根が陰でけしかけ、主導権を握ると、意識は慎重に、こっそりと、密かに財物を自分のものにする方法を考え出すでしょう。もし意根が正しければ、意識に正直な心の念(思い)を伝えることもできます。意根が果断であれば、意識を強くすることもできます。意根に智慧があれば、意識の行いを理に適い法にかなったものとし、染汚(けがれ)の境界に遭遇しても染まらずにいられるようにすることもできるのです。

——生如法師の開示
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