意根と意識はなぜ互いに心意を通じ合わせることができるのでしょうか

例えば意根が食事をしたいと思うと、如来蔵は意根の意向に従い、意識を生じさせる。すると意根は意識に眼前の様々な料理を識別させる。これらの料理の中から、意根は自分が食べたいものを選び、意識は意根の考えを理解する。意識が識別した後、意根もまた意識の考えを理解し、二者は刹那的に互いに意思疎通ができる。しかし、意根が前世の法を識別して意識に伝えても、意識はそれを理解できないか、ほんのわずかしか理解できない。これはなぜか。前世のことを意識が経験しておらず、記憶もないため、識別することができないからである。

意根はどの料理を食べるかを決定するために様々な料理を識別しようとし、意識は意根に代わって識別するために生じる。意識が様々な料理の特徴を識別・判断した後、意根に伝えると、意根はそれを理解して何を食べるかを決定する。また、意識が眼識とともに観察するだけでは完全に識別できない場合もある。そのため意根は少し味見をしようと決め、すると舌識と鼻識が一緒に識別・判断に参加する。意根がそれらを理解した後、どれが美味しく好みに合うかを知り、盛んに食べ始める。美味しくないものには関心を示さない。

これらの料理は意識と五識が一緒に現前に触れることができるため、受想思が生じ、判断を下すことができる。前世の法については、神通力がない限り五識はまったく触れることができず、意識には他心通も経験もなく、智慧が不足しているため、意根の心の中の考えや思惑を理解することができない。もし意識が大いなる智慧を持っていれば、意根の心の中の考えや思惑、暗示された法を明瞭に識別できる。

なぜ意識と意根は互いに意思を伝達できるのか。意根が法塵に触れて意識を生じさせ、この三者が再び和合接触するためである。法塵については、意根だけでなく意識も識別できるが、その程度や明瞭さに違いがある。この過程において、意識と意根は常に触れ合っており、心と心が触れ合っているため、当然互いの意思を理解できる。その違いは理解の程度、深さや範囲にある。意識が存在する限り、必ず意根と接触しているため、それぞれの意思はいつでもどこでも伝達・交流が可能である。もし交流がうまくいかないと、心にもつれが生じ、交流が円滑であれば気分は愉快になる。これは二人の人間の交流関係にやや似ている。