瑜伽師地論 第三十四巻（四十三）

いかにしてまた法性の行によって、無常性を観ずるか。すなわちすべての変異無常・滅壊無常・別離無常が、現在世においてまだ合会せず、未来世において当に有るべき法性を、如実に通達することを謂う。かくの如き諸行が未来世において当に有るべき法性、このような等類を、法性無常を通達するものと名づく。

いかにしてまた合会の行によって、無常性を観ずるか。すなわちこのような変異無常・滅壊無常・別離無常が、現在世において合会して現前することを、如実に通達することを謂う。かくの如き諸行が現在世に現前して合会する、このような等類を、合会無常を通達するものと名づく。彼はかくの如き内外の諸行における五種の無常性を、五種の行によって、その応くべき所に従い作意して修習し、多く修習するが故に決定を得る。

釈す。いかにしてまた法性の行によって無常性を観察するか。すべての変異無常・滅壊無常・別離無常が現在世においてまだ合会せず、未来世において当に現れるべき法性を、如実に通達し得ることを指す。これらの諸行が未来世において現れるべき法性、これらに類するものを、法性無常を通達すると称する。

いかにしてまた和会の行によって無常性を観察するか。このような変異無常・滅壊無常・別離無常が、現在世において和会して現前することを如実に通達する。かくの如き諸行が現在世に現前して和会する、これに類するものを、和会無常を通達すると称する。このような内外の諸行における五種の無常性を、五種の行によって、その為すべき所に応じて作意し修習し、多く修習するが故に、無常性について心に決定を得る。