原文:かくの如き等によって、比度増上作意の力の故に、他世有る諸行の生起することに対し、決定を得る。かくの如く略して三種の増上作意の力によって、尋思し観察するに、内外の諸行は無常性なり。すなわち、浄信増上作意の力によって、現見増上作意の力によって、比度増上作意の力によってなり。前に挙げたる所のものに対し、能く随順して五種の無常行を修したる已に、変異と滅壊の二行を弁ずる。
釈:以上のこれらの比度増上作意の力の故に、前世と後世有る諸行の生起することという事柄に対し、決定心と確定心を生起する。大略に三種の増上作意の力によって、内外の諸行が無常性であることを尋思し観察し得る。三種の増上作意の力とは、浄信増上作意の力、現見増上作意の力、比度増上作意の力である。前に列挙した内外の諸行に対し、能く随順して五種の無常行を修習し、変異と滅壊の二種の行を弁別する。
前世と後世の五蘊の無常を観行する必要ある時は、現世における五蘊に対する如実の現量観行を基礎として、正しく比度観行し前世と後世の五蘊を観じ、以て証知を得るべきである。比度する二法は同類であるべきであり、非同類の法は比度し得ない。現在の五蘊に対する如実の現量観行を基礎として、過去にすでに過ぎた五蘊、及び後に出現する五蘊を正しく比度観行することができ、以て証知を得、諸行無常に対し心に決定を得、確認するに至る。
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