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日常法話

2022年11月09日    水曜日     第3開示 合計3739開示

瑜伽師地論 第三十四巻(三十八)

原文:かくの如く比量作意力の故に、壊滅行によって、かの諸行の刹那生滅、壊滅無常を観じて決定を得る。かくの如き事に於いて決定を得たる後、復た他世に現見されざる諸行の生起を正しく比量すべきなり。いかに比量すべきや。謂わく、諸有情に現に種々の差別有ることを得べし。あるいは端正な容姿、あるいは醜い容姿。あるいは高き族姓、あるいは賤しき族姓。あるいは富める族姓、あるいは貧しき族姓。あるいは大宗葉、あるいは小宗葉。あるいは長寿、あるいは短命。あるいは言葉威厳あり、あるいは言葉威厳なし。あるいは性質鋭敏、あるいは性質鈍重なり。かくの如き一切の有情の差別は、定んで業を造作するに由り、その差別有りて初めて成立す。業無きに非ず。かくの如く有情の色類差別は、定んで先世の善不善業によって、造作増長したる種々の品類によるなり。

釈:比量作意力があるが故に、諸々の壊滅行(壊れ滅びゆく現象)において、諸行(形成されたもの)の刹那生滅、壊滅無常を観察し、結論「諸行は変異無常である」を得る。これらの事柄について確信を得た後、更に前世や来世において現に見ることのできない諸行の生起について、正しく比量(推論)すべきである。如何に比量すべきか。諸有情(生きとし生けるもの)には現前に種々の差別が観察できる。即ち、或る者は良い相貌、或る者は悪い相貌を持ち;或る者は高貴な家柄、或る者は卑しい家柄に属し;或る者は大いなる宗族(家系)、或る者は小さき宗族より出で;或る者は長寿、或る者は短命であり;或る者は言葉に威厳と厳粛さあり、或る者は言葉に威厳と厳粛さなく;或る者は根性(性質・能力)鋭敏、或る者は根性鈍重である。

かくの如き一切の有情の差別は、必ずその造作した業行(行為)に差別があることによって初めて成立するのであり、造作した業行が無いのではない。かくの如く有情の色相(外見)や種類の差別は、必ず前世に造作した善業と不善業の故に、互いの種々の品類差別を増長させるのである。

正比度(正しい推論)とは、既に心に得た確信(現見・直接知覚によるもの)に基づいて対比し思量することを指す。もし現見に基づかないならば、その対比思量は不正比度(正しくない推論)であり、不正比度は智慧に摂されない。正比度は智慧を得る。

——生如法師の開示
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