原文:いかに内なる事の雑染を観察し、所作の変異、無常の性を知るべきか。すなわち、先に生じ起こった、あるいは貪りの心あるもの、あるいは貪りを離れた心あるものを了知し、あるいは瞋りの心あるもの、あるいは瞋りを離れた心あるものを了知し、あるいは痴の心あるもの、あるいは痴を離れた心あるものを了知する。また、随一々の諸々の随煩悩によって染汚された心を了知し、また随一々の諸々の随煩悩によって染汚されざる心を了知する。また、かの心相続が諸煩悩及び随煩悩によって、前後の位において変壊性と不変壊性に趣入することを了知する。この事を見た後、かくの如き念いをなす。『かくの如き諸行は、その性無常なり』と。何となれば、心が雑染によって作られた変異は現に得られるが故に。
釈:いかに内身の事が雑染による変異無常の性を観察するか。先に生じた雑染心、すなわち貪心あるいは貪離、瞋心あるいは瞋離、痴心あるいは痴離を了知し、各々の随煩悩によって生じた染汚心と不染汚心を了知し、雑染心が相続して諸煩悩及び随煩悩により前後して変壊性と不変壊性に入ることを了知する。これらの現象を観察した後、『かくの如き諸行はその性まことにはかない』と念いを生ず。その故は、雑染による心の変異が現前に観察され得るからである。
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