瑜伽師地論 第三十四巻（其の十四）

原文：いかにして内事の形色における所作の変異無常の性質を尋思すべきか。いわく、顕色について説く如く、かくの如く形色は肥痩の故をもって、またしかるべきことを知るべし。いかにして内事の興衰における所作の変異無常の性質を尋思すべきか。いわく、観見することによって、あるいは自らあるいは他、先時の眷属財位が、あるいは悉く皆興盛するを見、後に一切皆悉く衰損するを見、さらに後の時に再び興盛するを見るに及んで、この事を見て已ってすなわちかくの如くの感想をなす：かくの如き諸行の性質は無常なり。なぜならば、興衰変異は現に可得なるが故に。

釈：いかにして内身の事が形色に現れる変異無常の性質を観察すべきか。観察された顕色の如く、形色は肥満と痩身の点においても同じ道理である。いかにして内身の事が興衰に現れる変異無常の性質を観察すべきか。自己と他人の過去の眷属と財産・地位を観察し、かつてはすべてが繁栄しているのを見、後にすべてが衰損しているのを見、さらに後になって再び繁栄しているのを見る。これらの現象を観察した後、心に次のような感想が生じる：このような諸行の性質は確かに無常である。なぜならば、家財と眷属の興衰変異は、現前に観察できるからである。