衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成

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日常法話

2022年10月02日    日曜日     第2開示 合計3693開示

瑜伽師地論(十一)

原文:異なる縁が会遇すること。すなわち、楽受の触に縁って楽受を受ける時に苦受の触に遇うこと。苦受の触に縁って苦受を受ける時に楽受の触に遇うこと。不苦不楽受の触に縁って不苦不楽受を受ける時に、楽受の触あるいは苦受の触に遇うこと。また貪りある者が瞋恚に遇うこと。貪りの纏縛が止息するに縁って瞋恚の纏縛を発起すること。このように瞋恚や愚痴ある者が、異なる分の煩悩を生ずる縁に遇うこともまた同様であると知るべきである。このように眼識が正しく現在の前にあって、声・香・味・触の境などに遇うこと。これを八種の変異因縁と名づける。一切の有色の法及び無色の法の所有する変異は、皆このような八種の因縁によるのである。これを除いてほかに過ぎたるものも増したるものも何もない。

解釈:異なる縁が会遇するとは、楽受の触に縁って楽受を受けるべき時に、却って苦受の触に遇うこと。苦受の触に縁って苦受を受けるべき時に、却って楽受の触に遇うこと。不苦不楽受の触に縁って不苦不楽受を受けるべき時に、却って楽受の触あるいは苦受の触に遇うことである。さらにまた、貪りのある者が却って瞋恚の縁に遇い、こちらで貪りの煩悩の纏縛が止んでも、あちらで瞋恚の煩悩の纏縛が生じる。このように瞋恚や愚痴のある者が、瞋恚でも愚痴でもない煩悩が生じる縁に遇うことも、また同じである。同様に、眼識が正しく現前している時に、声・香・味・触の境界の縁に遇うのである。これが八種の変異因縁と呼ばれるものである。一切の有色の法と無色の法のすべての変異は、皆この八種の因縁によって生じるのであり、このほかに何か他の因縁は全く存在しない。

ここでの「異」とは変化を意味し、遇う縁が変化すれば、因が変化し、果もまた変化する。因縁の変異は大まかにこの八種に分けられるが、細かく分ければ非常に多くなるであろう。縁が変化するが故に無常であり、果が変化するが故にこれまた無常である。因縁の変異によって無常が完全かつ充分に顕示されるのである。

——生如法師の開示
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瑜伽師地論 第三十四巻(十)

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