原文:かくの如く内外の事を安立しおわりて。復た彼の事に於て現見増上の作意力の故に。以て変異の行を尋思し観察して無常の性を明らかにす。此の中に内事には十五種の所作する変異有り。及び八種の変異の因縁有り。何が内事に十五種の所作する変異有りや。一に分位の所作する変異。二に顕色の所作する変異。三に形色の所作する変異。四に興衰の所作する変異。五に支節の具不具の所作する変異。六に劬労の所作する変異。七に他の損害する所作する変異。八に寒熱の所作する変異。九に威儀の所作する変異。十に触対の所作する変異。十一に雑染の所作する変異。
釈:これらの内外の事を安立しおわって後、さらにこれらの事を現見するために、法を見る作意力を増強し、諸法の変異という角度から尋思・観察して内外の事の無常性を明らかにする。その中で内事には十五種の変異があり、八種の変異の因縁がある。内事にはいかなる十五種の変異があるか。一つは色身が異なる時期にある分位の変異。二つは顕色に現れる変異、例えば肌の色の白黒赤黄など。三つは形色に現れる変異、例えば背の高低や肥満痩身など。四つは色身の興衰に現れる変異、例えば力がある状態とない状態など。五つは身根の肢節に現れる変異、例えば腕や脚を失うなどの欠損。
六つは労作に現れる変異、例えば疲労している状態とそうでない状態など。七つは他者から損害を受けることに現れる変異、例えばいじめや誣告、誹謗、名声の毀損など。八つは寒熱に現れる変異、例えば発熱や寒気など。九つは威儀進止に現れる変異、例えば色身のだらしなさや猫背、動作の不自由さなど。十つは接触する対象に現れる変異、例えば接触する人事物の変動や変化。十一つは雑染心がなす事柄に現れる変異、例えば善悪業の転変。
十二つは身体の疾病に現れる変異、元は健康であったが病苦が現れるなど。十三つは死亡に現れる変異、生命が終わること。十四つは死後身体に青瘀腫脹の変異が現れること。十五つは死後死体が消失して灰すら跡形もなくなる変異が現れること。
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