衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
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日常開示

2022年09月25日    日曜日     第2 回の開示 合計3686回の開示

瑜伽師地論 第三十四巻(五)

また世尊は言われた。比丘たちよ、知るがよい。この器世間は長い間安らかに存続するが、その期間が過ぎた後、次第に七日輪が現れるに至る。七日経に詳説される如く、全ての大地、諸山大海、及び須弥山王に至るまで、梵世の諸器世界は全て焼き払われる。災いの火が滅びた後、灰燼も見えなくなり、さらには影さえも得られなくなる。この法門によって、世尊は諸器世間が無常なる性質であることを示された。かくして教量理に依り、観行を修める者は清浄なる信を増上させ、作意の力によって一切の行の無常なる性質に対する決定を得る。決定を得た後、即ちこの清浄なる信増上の作意力によって、数数尋思し観察し、一切の現見に背かず、他縁によらざることを得る。

釈:世尊は起世因縁経において説かれた。比丘たちよ、汝らは知るべきである。この娑婆世界の器世間は今なお長く安穏に存続しているが、この期間を過ぎれば漸次に二日、三日、遂には七つの太陽が現れ、七日経に説かれる如く、この時器世間の全ての大地、諸山大海、及び欲界天の須弥山、色界の全ての器世界までもが焼失する。火災が過ぎ去れば灰燼も消失し、如何なる影像も得られなくなる。

世尊の説かれたこれらの事柄は、正しく一切の器世間の無常性を顕わしている。世尊の教示を聞き、世尊の説かれた至教量理に依止し、観行を修める者は諸行無常に対する清浄なる信を増上させ、作意の力を強め、遂には一切の行の無常性に対する決定を得る。心に決定を得た後、更にこの清浄なる信増上の作意力によって、絶え間なく諸行の無常性を尋思観察し、一切の行の無常性を現見するに至り、至教量理に背かず、この現見は他縁によるものではなく、如実の観察によって自心に現見するものである。

諸行無常を観察するには清浄なる信力を要す。世尊の説かれる諸行無常を信じ、心を清浄にして他念を挟まぬ。清浄なる信によって初めて作意観察し諸行の無常性を尋伺できる。信が清浄でなければ、諸行無常を信じなければ、作意観察しようとはしない。観察とは自心の現見である。現見でなければ現前観察とは言わない。自心現見は現量観察・現量所証とも言う。現とは現前存在・真実存在の意であり、思惟想像で補うものではない。修行者は世尊の諸行無常に関する至教量理を薫習し、禅定において諸行の無常性を観察し、縁熟すれば諸行が確かに無常であることを現見し、遂には苦諦を実証する。諸行が苦であることを現見すれば、再び苦を受けたくないという滅苦の願望が生じるのである。

——生如法師の開示
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