瑜伽師地論第三十四巻（一）

原文：もし世間を超越する道に趣くことを楽むならば、四聖諦の境に依止すべきである。次第に七種の作意を生起せしむ。いわゆる最初の了相作意より、最後の加行究竟果作意に至るまで、ついに阿羅漢果を証得する。瑜伽を修する行者は四聖諦において、略標広弁の増上教法を聞き受け持ち、あるいは作意に於いて既に善く修習し、あるいは根本静慮・無色定を得る。

釈：修行者が世間を超越する道に向かうことを願うなら、四聖諦の境地に依拠し、順次七種の作意を生起させるべきである。これら七作意とは、最初の了相作意、続く勝解作意、遠離作意、摂楽作意、観察作意、加行究竟作意、そして最後の加行究竟果作意を指し、ついに阿羅漢果を証得するに至る。ヨーガの行者は四聖諦の理について、大要を把握し広く増上する教法を弁じ、これを聴聞受持する。彼らは或いは理に適った作意を既に善く修習し、或いは根本静慮の四禅八定を証得し、さらには無色界の定に達している。

この文章は概略的に凡夫から四果阿羅漢に至る修学の内容と次第を示している。衆生が世間の苦を解脱し涅槃の楽を証得しようと願うなら、四聖諦を修学すべきである。四聖諦を修行する過程において七種の作意を生起させる必要がある。いわゆる作意とは、注意を向け、心を関わらせ、観察することを指す。心の趣向によって作意が異なり、結果も異なる。最終的に加行究竟果作意を生起させて初めて究竟果を得、阿羅漢果を証得し解脱を成就し、世間を超越するのである。