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日常法話

2022年05月28日    土曜日     第1開示 合計3636開示

諸行無常を如何に観行すべきか(一)

生滅と変異の二つの法は諸行の無常を顕わし、生滅変異すなわち苦であり、無常すなわち苦である。諸行の無常を観行することはすなわち苦諦を観行することであり、苦諦はすなわち無我である。瑜伽師地論第三十四巻の原文に基づき、諸行の無常を観行することを以下のように要約する。

仏が説く諸行無常の「行」には大略二種ある:一つは有情世間、二つは器(無情)世間である。仏は言う:我は過人の清浄なる天眼をもって、諸の有情の死時・生時を観る。広く説けば、身体壊滅の後、善趣たる天世界に生ずることを見る。世尊は清浄なる天眼をもって現に見る一切の有情世間は無常性であると。仏は如何なる法を見るにも、世間と出世間の一切法は全て現見であり、非現見の比度思量や非量の臆想はなく、智慧が究竟円満なるが故である。衆生が法を見るには現量・比量・非量の三種に分かれるが、仏は完全に現量である。器世間の無常については長阿含経中の起世因縁経に説かれる器世間の生住異滅を参照せよ。

如何にして諸行の無常性を確認するか。観行を修める者が浄信増上の作意力によって、一切行の無常の性に対して決定を得る。更に如是如是の浄信増上の作意力によって、反復繰り返し無常性を尋思観察する。観察すべき法は、一つは内事、すなわち眼耳鼻舌身意の六処、二つは衣食住用行等十六種の外事:地事・園事・山事・水事・作業事・庫蔵事・食事・飲事・乗事・衣事・荘厳具事・舞歌楽事・香鬘塗飾事・資生具事・諸光明事・男女承奉事である。詳細な観行方法は論中に述べられている。

内外事の変異過程を観察してその無常性を観る。内事六処には十五種の変異がある:一、分位所作変異。二、顕色所作変異。三、形色所作変異。四、興衰所作変異。五、支節具不具所作変異。六、劬労所作変異。七、他所損害所作変異。八、寒熱所作変異。九、威儀所作変異。十、触対所作変異。十一、雑染所作変異。十二、疾病所作変異。十三、終没所作変異。十四、青瘀等所作変異。十五、一切不現尽滅所作変異。

一、如何にして分位所作の壊れる無常の性を尋思(観察)するか。謂わく、自ら或いは他者が少年位より老位に至るまで、諸行が相続して前後差別し互いに相似ないのを観見する。この事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。何を以っての故か。此の内分位の前後変異が現に可得なるが故に。二、如何にして顕色所作の変異無常の性を尋思するか。謂わく、自ら或いは他者が先に妙色あり肌膚鮮澤なるも、後に悪色肌膚枯槁なるを見、更に後時には還って妙色肌膚鮮澤なるを見る。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。何を以っての故か。此の内顕色の前後変異が現に可得なるが故に。三、如何にして形色所作の変異無常の性を尋思するか。謂わく、顕色の如く、如是の形色は肥痩の故に、亦た爾ることを知るべし。

四、如何にして興衰所作の変異無常の性を尋思するか。謂わく、自ら或いは他者の先時の眷属財位・戒見が悉く興盛するも、後に一切が悉く衰損するを見、更に後時には還って興盛するを見る。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。何を以っての故か。興衰変異が現に可得なるが故に。五、如何にして支節所作の変異無常の性を尋思するか。謂わく、自ら或いは他者の先時に支節欠減無く、後時に支節欠減するを見る。或いは王の所作、或いは賊の所作、或いは人の所作、或いは非人の作なり。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。六、如何にして劬労所作の変異無常の性を尋思するか。謂わく、自ら或いは他者の身体の疲労性・疲極性、或いは馳走所作・跳踊所作・趒踯所作・騙騎所作、或いは種種の迅疾なる身業を為すを見、更に他の時に彼が疲労疲極を離れるを見る。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。

七、如何にして他所損害所作の変異無常の性を尋思するか。謂わく、自ら或いは他者が他所より損害され其身が変異するのを観見する。或いは刀杖鞭革皮繩矛槊等によって壊され、或いは種種の蚊虻蛇蝎諸の悪毒触によって損害される。更に他の時に変異せざるを見る。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。八、如何にして寒熱所作の変異無常の性を尋思するか。謂わく、自ら或いは他者が正に寒き時に身舒泰ならず、踡局戦慄し寒凍に纏われて温陽を希い、正に熱き時に身体舒泰にして身を奮い雨月永霂に汗を流し熱渇に纏われて清凉を希う。更に寒き時に至れば還って前に説く如き相状を見る。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。

九、如何にして威儀所作の変異無常の性を尋思するか。謂わく、自ら或いは他者の行住坐臥の随一威儀が、或る時は損となり或る時は益となるのを観見する。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。十、如何にして触対所作の変異無常の性を尋思するか。謂わく、順楽受触に触対して楽触を領受し、縁って生ずる楽時に自ら能く楽受分位を了別する。楽受分位を了別するが如く、苦受分位・不苦不楽受分位を了別するも亦た爾ることを知るべし。彼は是の諸受の前後変異を了別し、是れ新新性にして故故性に非ず、或いは増し或いは減じ暫時にして有り、率爾現前して尋いで即ち変壊することを知る。此の事を知りて即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。

十一、如何にして雑染所作の変異無常の性を観察するか。謂わく、先に生起する或いは貪心あるもの、或いは貪心を離るるもの、或いは瞋心あるもの、或いは瞋心を離るるもの、或いは痴心あるもの、或いは痴心を離るるものを能く了知し、又能く随一一種の諸随煩悩に染汚されたる心を了知し、又能く随一一種の諸随煩悩に染汚されざる心を了知し、又能く彼の心相続が諸煩悩及び随煩悩によって前後位に趣入し変壊・不変壊の性となるを了知する。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。何を以っての故か。心が雑染所作によって変異することが現に可得なるが故に。十二、如何にして疾病所作の変異無常の性を観察するか。謂わく、自ら或いは他者が先に疾病無く安楽強盛なるも、後時に自ら或いは他者が重病苦に遭い、猛利なる身の諸苦受に触対するのを観見する(前に広く説く如く)。更に他の時に還って無病安楽強盛なるを見る。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。

十三、如何にして終没所作の変異無常の性を観察するか。謂わく、今時は存活安住支持するも、他の時に死没し唯だ尸骸有りて空しく心識無きを観見する。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。十四、如何にして青瘀(しょうお)等所作の変異無常の性を観察するか。謂わく、死後の尸骸が或る一時には青瘀位に至り、或る一時には膿爛位に至り、如是乃至骨鎖の位に至るのを観見する。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。

十五、如何にして一切不現尽滅所作の壊れる無常の性を観察するか。謂わく、彼が他の時に此の骨鎖位も亦た現れず、皆悉く壊敗離散磨滅し遍く一切種に眼は復た見ざるを観見する。此の事を見て即ち是の念いを為す:如是の諸行は其の性無常なり。何を以っての故か。如是の色相が数数改転し前後変異することが現に可得なるが故に。

回向文:我々のネットワークプラットフォームにおける全ての弘法と共修の功徳を以って、法界の衆生に回向し、世界の民衆に回向し、世界平和を祈願し、戦争起こらず、烽火興らず、干戈永久に止むことを願い、一切の災難が尽く消退することを祈ります!各国人民が団結互助し慈心相向かい、五穀豊穣で国泰民安であることを祈願します!一切衆生が因果を深く信じ慈心をもって殺さず、広く善縁を結び広く善業を修め、仏を信じ仏を学び善根を増長し、苦を知り集を断ち滅を慕い道を修め、悪趣の門を閉ざし涅槃の路を開くことを願います!仏教が永く興隆し正法が永く住し、三界の火宅を変じて極楽蓮邦となることを祝願します!  

——生如法師の開示
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