衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2022年05月21日    土曜日     第1 回の開示 合計3631回の開示

暖法の善根の相と修習

阿毘達磨倶舎論第二十三巻(二)

原文:論に曰く。総じて共相の法念住を修習し、漸次に成熟して上上品に至る。この念住の後、順決択分有り。初善根生ず。名けて暖法と為す。この法は暖の如し。暖法の名を立てる。是れ能く惑薪を焼しむ。聖道の火の前相なり。火の前相の如きが故に、暖と名づく。

釈:ある論説によれば、一切衆生の五蘊が苦・空・無常・無我という共相を総縁して法念住を修習する時、その智慧は漸次に成熟し、上上品に達する。法念住を修習し終えた後、順決択分が生じ、四聖諦の理に順じ、最初の善根が生ずる。この善根を暖法と称する。この智慧は温暖の相の如く、心が四聖諦に熏され、四聖諦に向かう故に、暖法と名付けられる。暖法は譬えば煩悩の薪を焼却し得るもので、聖道の火が現れる前兆である。火が燃え上がる前の状態の如き故に、暖と称される。

見道を火相現前の譬えとし、薪が燃焼する意義を説く。火が現れる前に最初に温度変化が生じ、温度が上昇し暖かさが現れる段階が、暖法善根に相当する。温度が不断に上昇し熱量が一定に達すると薪は燃焼し火が現れる。この過程で次第に頂法善根・忍法善根・世間第一法善根を経て、後に見道が可能となる。暖法の出現は、修行者が四念住と四聖諦を修習し、心に変化が生じ、四聖諦の理に順じる順決択分を生起させ、もはや四聖諦の理に抵抗せず、初歩的に四聖諦の理を受け入れたことを示す。

原文:この暖善根は分位長きが故に、能く四聖諦の境を観察し、及び能く十六行相を具修す。苦聖諦を観じて四行相を修す。一に非常、二に苦、三に空、四に非我。集聖諦を観じて四行相を修す。一に因、二に集、三に生、四に縁。滅聖諦を観じて四行相を修す。一に滅、二に静、三に妙、四に離。道聖諦を観じて四行相を修す。一に道、二に如、三に行、四に出。この相の差別は、後に当に弁ぜん。

釈:この暖法善根が含む修法は多岐にわたり全面的である。即ちその分位が長いという意味で、暖法現前の段階において、四聖諦の真実の境を具足して観察し、十六行相を具足して修行し得る。五蘊の苦聖諦を観じて四行相(無常・苦・空・無我)を修し、五蘊の集聖諦を観じて四行相(因・集・生・縁)を修し、五蘊の滅聖諦を観じて四行相(滅・静・妙・離)を修し、道聖諦を観じて四行相(道・如・行・出)を修する。ここに涉及する全ての修習内容には差別があり、これらの差別相は後述にて論じられる。

回向文:当ネットプラットフォームにおける全ての弘法と共修の功徳を以て、法界の衆生に回向し、世界の民衆に回向す。世界の平和を祈願し、戦争起こらず、烽火興らず、干戈永く息む。一切の災難ことごとく消退せんことを。各国人民の団結相助け、慈心相向かわんことを祈願し、風雨時に順い国泰民安ならんことを。一切衆生が因果を深く信じ、慈心をもって殺生せず、善縁を広く結び善業を修め、仏法を信じ学び善根を増長し、苦を知り集を断ち滅を慕い道を修め、悪趣の門を閉じ涅槃の路を開かんことを。仏教の永き興隆と正法の永住を祈り、三界の火宅を変じて極楽の蓮邦とならんことを。

——生如法師の開示
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